投手陣はリリーフ陣の頑張りが必要不可欠
投手陣は、一時期12球団で唯一のチーム防御率4点台を記録。開幕から苦しんでいるが、先発陣は復調の兆しを見せている。
戸郷翔征は、本調子から程遠い内容でありながら、リーグトップタイの6勝を記録している。
特に5月24日のDeNA戦では、1-0の投手戦のなかで完封勝利を挙げた。
/
— DAZN Japan (@DAZN_JPN) May 24, 2023
エースの階段を、また一歩
\
戸郷翔征が自身2度目の完封勝利👏
リーグトップタイの5勝目
回数:9
球数:127
安打:5
四球:0
三振:6
⚾#プロ野球(2023/5/24)
🆚巨人×DeNA
📱Live on DAZN #DAZNプロ野球 #giants pic.twitter.com/uthqPxXiZL
ただ、まだまだ球速を含めて本来の姿からは程遠く、阿波野投手コーチも「(スピードが出ないのが)戸郷本人が一番苦しんでいるところ。変化球の精度も含めて。開幕したときは結果がうまくついていましたが、練習含めて、いま試合でちょっと思い通りにボールを操るということが(できていない)。変化はしていても思い通りに操れていないのが苦しんでいるところですね」とコメントを残すほどだ。
この状態でもイニングイーターとしての活躍を見せているため、今後の復調に期待したいところだ。
先発陣は戸郷以外にも、フォスター・グリフィンと横川凱がローテーションを引っ張っている。
グリフィンは、開幕から安定したピッチングを残しており、すでに4勝を記録している。一時期は奪三振の数でもトップを記録していたほどのピッチングは、巨人の先発陣を引っ張っていく貴重な存在になりそうだ。
#セ・パ交流戦
— DRAMATIC BASEBALL 2023 (@ntv_baseball) June 3, 2023
【#巨人×#日本ハム】
3回表 巨人先発 #グリフィン 投手
見逃し三振!!
✅このあと15時〜
日テレ系地上波で生中継!!
(関東ローカル)
✅#GIANTS_TV で配信中!
https://t.co/ZBDh2wEpRg
#ジャイアンツ #giants #奪回#DRAMATICBASEBALL #ドラベ pic.twitter.com/I61iq4M300
横川は、イニングこそまだまだ多くは投げられていないが、3勝を記録している。全体的に80〜90球ぐらいでマウンドを降りているため、今後はさらに長いイニングを投げられることが求められるだろう。
現状の巨人は、戸郷とグリフィン、横川の日に最低でも2勝1敗を記録したいところだ。
また、交流戦中のソフトバンク戦で菅野智之が復活するという報道もあり、菅野が圧倒的とまではいかないにしても、試合を作れるピッチングをすることにより、先発陣の枚数は分厚くなりそうである。
しかし、問題はリリーフ陣である。
10試合以上登板したリリーフ陣を見ても、クローザーの大勢ですら防御率3点台と不安を残す内容となっている。
その他のリリーフ陣も打ち込まれる場面が多々あるため、1~3点差リードの試合でも安心して戦況をみているのが難しい現状だ。
ただ、著者はリリーフ陣の起用法や運用に関して、2020年の夏場から問題視しており、『巨人軍解体新書』(光文社)でも下記のように述べている。
他球団に新監督が目立った中、既に名将の地位を確かにしている原監督の柔軟な采配も光った。コア3選手を解体させたことや2番打者の起用法など課題点はあったが、相対的に見ると滑らかな采配をしていたと思う。かつて「若大将」と呼ばれた所以でもある、若手に自信をつけさせたり競争心を高めたりする積極的な采配はこの年も随所で見られた。
来シーズンは、A級の中継ぎ陣を「レバレッジ」(難易度の高さや勝利への重要性)の低いシチュエーションで投げさせる起用は避けてほしい。このよろしくない采配の一因は、試合数とイニングの短縮を過度に意識していたことにある。20年は試合数が143から122に減ったとはいえ、120試合以上あったわけで、昭和の時代とさして変わらない。メディアで「短縮試合」という言葉が躍っていたのを真に受けてしまったようにも見える。また、延長戦が10回までになった点も脳裏にあって「そこまで抑えれば負けはない」という発想で投手をつぎこんでしまったのかもしれない。突然の開幕延期やいつ始まるのかわからなかった状況などを考慮すると、通常のシーズン以上に調整の負荷がかかっていた。
巨人の投手運用自体、コロナの事情などを抜きにしてもともと良くなかった。余裕のない起用の影響で大竹や中川が離脱し、同時に守備も悪化していきシーズンの失策数の約半分が9月に集中した。シーズン序盤から中盤のブルペン陣の体制を、終盤からポストシーズンにも維持することが求められる。
つまり、3年前から優先度が高いリリーフを試合展開に関係なく起用していたツケが、今になってきているのだろう。
現状も投手運用はいいとは言えない状況のため、これらを再建していくには時間がかかりそうだ。
運用方法に関しても、状態がいいリリーフが出てくれば、その投手に依存しすぎないことがポイントになっていきそうだ。
今シーズンはもちろんのこと、来シーズン以降の浮上の鍵を握るのは、リリーフ陣の整備と場当たり的な起用法の改善だろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・
野手陣は岡本和真と秋広優人が打線を活性化させ、投手では戸郷翔征がチームを引っ張っている。ここにエース・菅野智之が帰ってきたら上位追撃に大きな力となる。
夏本番前の6月、巨人軍がどんな試合を見せてくれるのか注目していきたい。