「吉本興業×ブックオリティ 出版チャレンジ塾プレゼン大会」が6月28日に都内で行われ、板尾創路がオブザーバーとして出席。本の出版を目指す芸人・タレントたちのプレゼンに熱いエールを送った。

▲板尾創路

「柔術でダイエット」「バイトから取締役」

「吉本興業×ブックオリティ 出版チャレンジ塾プレゼン大会」は吉本所属の芸人やタレントが自ら企画を持ち込み、本気で出版を狙うイベント。審査員には講談社・小学館・新潮社・KADOKAWAなど大手出版社の編集者らが出席。172名の応募から厳正な選考を勝ち抜いた芸人やタレントら30人のプレゼンに耳を傾けた。

このイベントのオブザーバーは、前回と同様に板尾創路が参加。企画者には10分間のプレゼン時間が設けられ、その後、審査員の質問に答えていく流れでイベントは進行していった。

そのなかでも、柔術世界大会3位で話題を呼んだ芸人ガリットチュウの福島善成は“ムキムキ船越英一郎”に扮し、自身が柔術で30キロのダイエットに成功したエピソードを元にした自伝的柔術入門書『柔術、はじめませんか?』をプレゼンした。

「昔、体重が108キロあったんですけど今は73キロになりました。それは走ったり筋トレをしたのではなく、柔術だけで痩せたんです」「今は海外でも日本でも有名な人がやっている方が多い」と熱のこもったプレゼンを続け、興味を持った編集者相手に「もう本とか出さなくていいです、すぐに柔術を初めてください!」と締め、会場を笑いで包んだ。

▲福島善成(ガリットチュウ)

元大阪パフォーマンスドールの武内由紀子は、特別養子縁組で2人の子どもを授かり母となった経験を綴ったエッセイをプレゼン。当事者としての苦労や、喜びを交えた体験談を披露し、不妊治療の経験があるという編集者などから、書籍の内容についての深い質問が飛び、関心の高さを伺わせた。

▲武内由紀子

パタパタママの木下貴信は、清掃員アルバイトから取締役に出世し、さらに独立して起業した経験を持っており、その経験をまとめた書籍をプレゼンした。過去に見てきた清掃業界のトラブルや、自身が経験したエピソードを笑いを散りばめて披露した。

そのエピソードの多さは審査員の編集者から「聞いた話ではなく、ご自身が実際に体験したエピソードはどれくらいですか?」と聞かれるほど。もちろん木下は「全部が自分の体験談です!」と胸を張っていた。

▲木下貴信(パタパタママ)

吉本新喜劇の吉田ヒロはリモートでの参加。「ママ」として育ててくれたおばあちゃんとの愛のエピソードを、笑いと感動で書いた実話『僕のママは、おばあちゃん』をプレゼンした。

「ママ」とのエピソードは、過去にドラマ化の話も上がったが断っているそう。今回、芸歴40周年の節目にこのイベントの話があり、参加を決めたという。最後にはモニター越しに自身のギャグ“まゆげボーン”を披露し、リモート越しでも会場の笑いを誘った。

▲吉田ヒロ

全ての企画が手応えのある内容で出来上がってる感じ

オブザーバーの板尾創路は「どの方のプレゼンも興味深いものばっかりで、さすがここまで来られる方だなと思いました。全部書籍化できそうなものばかりでした」と振り返る。

▲板尾は「1つ1つの企画の良いところを言えるくらい良かった」とコメント

そのなかでも、ムームー大陸の山﨑おしるこがプレゼンした絵本『だんごむしまつり』に対して「だんごむしは子どもたちが大好きなんでね、絵本というよりはアニメ化を目指した原作、アンパンマンやドラえもんに次ぐ人気キャラクターになるんじゃないか」と評価した。

続けて、砂場研究家のどろだんご先生の作品をあげ「(自分が)だんご好きなんかい、って話なんですけど(笑)。砂場から東大へみたいな、砂場で遊ぶことがどれだけ脳に影響を与えるかとか、科学的なことはわからないですけど、そういうちょっと難しい内容にしてもいいかもしれないですね。今年はだんごですね(笑)」と総評した。

▲板尾自身は「子どもたちに自分の経験を伝えられるような書籍に興味があります」

その後の囲み会見で、板尾は改めて「前回は無茶な企画もあったが、今回は皆さん気合いの入ったものが選ばれていて、手応えのある内容で出来上がってる感じがすごかった。ヒロくんの話とか武内さんの話も興味ありますし、ドラマとか映画とかにも最終的に向いていくような可能性がある。各出版社の方々、よろしくお願いします」と語った。