「おうち居酒屋」で“大人だけの暮らし”を楽しむ

――高齢になると、日々の楽しみがなかなか見つけにくくなるという意見が多いようです。もののはずみさんの日々の楽しみはどのようなものでしょうか? また、楽しみが見つからない人へ、どのようにしたら楽しみを見つけられるかアドバイスがありましたらお願いします。

もののはずみ:日々の楽しみは、やはり、YouTubeの撮影ですね。工夫しながら取り組み、うまくいったときには達成感があるところが、なによりうれしい。

とはいえ、日々の楽しみは、人それぞれ全く違うと思います。なので、提案は難しいのですが……私も含め、同じような年代の皆さんに対しては、まず「健康でいること」が、なにより大事なのかなと考えています。私も頑張りますよ!

▲撮影もこだわりながら進める

――何か失敗してしまったときや、なんだかモヤモヤするときなど、落ち込んだときの解消法を教えてください。

もののはずみ:「イメージと違う」と思われがちなのですが、私は割と落ち込みやすい性格なんです。でも、落ち込んでいると「ずーっと悩んでいてもしょうがない」と自然に思えてくるんですね。もちろん、本当に落ち込むときは、解消するまで数日かかりますが、考えるだけ考えて落ち込みきったら、開き直る! 私の場合、そんな感じで解消しています。

あとは、自転車に乗って少し遠くまで行ったり、電車に乗って何駅か先のお店に行ったりすると気晴らしになるので、おすすめですよ。

――いつもアクティブで元気なもののはずみさんですが、日々の健康のために気をつけていることや、習慣がありましたら教えてください。

もののはずみ:義母がいるので、自分が寝込んではいけないという意識が常にあります。他の人にくらべて「健康でないといけない」という気持ちが強いほうだと思います。

体調が悪くなりそうと感じたら、家事をせず、一日安静にします。掃除もしませんし、食事も夫に弁当を買ってきてもらいます。あとは、年に一度の、胃カメラと大腸検査は欠かしません。また、足の指が痛いので、足に優しいスニーカーを履いています。スニーカーはスケッチャーズです。

▲日々の履き物への気遣いが健康につながるのだ

――いつも季節やイベントに合わせた食卓作り、飾りつけなどを楽しまれていらっしゃいますが、今の時期に家族に喜ばれるおすすめのイベントはありますか?

もののはずみ:夏はやっぱり「おうち居酒屋」でしょうか。コロナ禍に外食気分が味わいたくてはじめたのですが、この時期は、できるだけ夏らしいメニューを楽しむことにしています。

定番の枝豆、冷奴に加え、天ぷらやナスのはさみ揚げ、焼き鳥などを作ったりします。冬になれば、おでんや煮物に早変わり。飲み物は、夏はビールや冷たい日本酒、冬はお湯割りの焼酎や熱燗などを飲んでいます。こんなふうに、季節によって雰囲気の違う居酒屋を楽しんでいるんです。“大人だけの暮らし”では、暑さや寒さが気にならない、室内で楽しめるイベントがおすすめですね。

▲季節の食事でおうち居酒屋を楽しむ

ちょっとした楽しみや工夫の“達人”である、もののはずみさん。飾らぬ素顔に、ますますファンになったという人も多いのでは――? シニア世代のみならず、若者ファンも多い、もののはずみさん。これからの活躍にも目が離せません!


プロフィール
もののはずみ
1952年生まれの71歳。24歳で結婚し、一男二女を授かる。29歳で義父母との同居を始め、家族7人で暮らす。長女妊娠中に義姉と揚げ物屋を開いたが、阪神淡路大震災の被災を機に閉店。42歳で義父を見送り、現在は義母(97歳)、夫(74歳)、長男(46歳)の4人暮らし。3年前、孫のユーチューブを見て、「おもしろそう!」と「もののはずみ」を開設。愛情のこもった料理と暮らしを楽しむ姿が共感を呼んでいる。現在の登録者数は6万人超。YouTube:もののはずみ