芸能事務所リップ所属のグラビアアイドル・永瀬花帆が、夜な夜な事務所のグラドル仲間を自宅へ招いて、自慢の手料理を振る舞っているらしい。しかもリップの寮母を自称し、割烹着を着込み、とかく栄養と献立が偏りがちなグラドル(寮生)へ向けて、手作り料理を完全にプライベートでご馳走している、というのだ。

以前もその模様をレポートしたニュースクランチ広報班。相変わらず、テレビやYouTubeなど関係なく手作り料理を振る舞っているというところに一抹の怖さを感じながら、今回、この猛暑にピッタリの書籍『揖保乃糸 毎日食べたいそうめんレシピ』を進呈。「その模様を文章でレポートしてほしい」と再度オファーしたのだが、果たして、今回はどのようなレポートとなったのか…!?

▲割烹着に着替えたらまずはKPが私のルーティン

グラドル仲間と一緒に映画を見に日比谷へ

私は二足の草鞋を履いている。

昼の顔はグラビアアイドル、夜になると水着を脱ぎ捨て、割烹着に袖を通した寮母になるのだ。

その日は真夏だった。7月の頭から気温は35度を超える日もあり、うだるような暑さが我々に襲い掛かった。

そんな暑さだからこそ元気になってしまうのが、私、寮母こと永瀬花帆だった。私は寒さにめっぽう弱く、さらに陽が早いうちから落ちてしまうと憂鬱な気分になってしまう冬嫌いなのだ。そのため、いくら脳みそが沸騰してカニみそになってしまいそうな暑さでも、夜遅くまで明るい時間が続く夏を愛していた。

そんな夏のある日、私は本業であるグラビアアイドルの仕事を終え、水着を脱ぎ捨て、ただの永瀬花帆に戻っていた。

今から仲良しの女の子と映画を見に行くのだ。普段、ミニシアターに足を運ぶことが多い私だが、この日は日比谷のシネコンへと向かった。いつもはミニシアターでお一人様映画をすることが常のため、最新作の映画を友達と見るのはとても久しぶりだったので、先ほどまで水着に包まれていた胸も躍った。

陽の暮れかかった映画館で合流したのが、アンチ・夏の鶴祀眞歩(つるし まほ)、通称・鶴ちゃんである。

エスカレーターを上がってきた鶴ちゃんの顔からは生気が消え失せていた。

本人いわく「夏に私を呼び出したらこの姿よ」とのこと。生きた姿で合流してくれただけでも儲けものである。今日は、この夏の暑さにやられ、生気も食欲も失っている鶴ちゃんにご飯を振舞うことになっている。

日比谷の映画館はまるで美術館のようで、軒並み満席なことにびっくりした。

今日は、以前から見たいと思っていた『リバー、流れないでよ』という映画を鑑賞するのだ。ちなみに、チケットを買う時間がギリギリになってしまったので、二人は離れた席で見た。終わったあとに合流して感想を言い合うのもまたオツである。

映画の感想を言い合いながら、日比谷の街で一杯だけビールを飲んだ。むしむしとした空気の中で飲むキンキンに冷えたビールは、これから始まる宴の食前酒であった。鶴ちゃんいわく「これで夏満喫できた」とのことである、よかった。

▲食前酒のビールで乾杯

そこから映画の感想を話しながら電車に揺られ、わが家へと向かった。