COWCOW結成30周年。「変わらない」のが魅力の二人に迫る！

コンセプトとかテーマとか言ってみたい(笑)

――30周年ツアーの見どころをお伺いできますでしょうか。

善し　やってることは毎年さほど変わらないんですよね。ずっと同じテンションでやってます。若手の頃から単独ライブを大事にしてずっとやってきて、東京に出てきてからも続けているという意味でいうと、その点はあんまり変わらないんですよね。

――逆に変わらずに続けられることがすごいと思います。

善し　「変われよ！」って誰かが言ってくれれば変わるかもしれないんですけど、誰も言ってくれないし(笑)。

――お二人がカッコつけたりとか、かわいい感じでやってるのを見るとおもしろくて笑っちゃいますね。

善し　単独ライブでテーマを決めて、それに沿った公演をするっていうコンビもいますけど、僕らはそういうタイプではないので。一作品一作品を作っていって、できたものを一気にドンって出すっていうスタイルなので。ホントはやってみたいですよ。伏線回収したりとか(笑)。僕らは何も伏線を張らないし、回収もしない。

――ちょっと挑戦していただきたいですけど(笑)。

善し　単独やるときにコンセプトとか言ってみたいですけどね。じつは、サブタイトルをつけようかっていう話も出たんですよ。結局つけてないんですけど。

多田　サブタイトルが決まらなかったんですよ。

――そうなんですね(笑)。このチラシの写真もステキです。

多田　(笑)。そうですね。1年目のコンビの単独ライブみたいですね。

善し　原点です。

多田　戻ってきたなっていう表情ですよね。

――COWCOWさんの客層は老若男女問わずいるイメージがありますし、それこそお子さんを連れてくる方とかもいらっしゃると思うので、コンセプトよりも、お二人が楽しそうにネタをやっているのがいいのかなと。

多田　そうかもしれないですね。

――客層の変化ってありましたか？

善し　大阪時代は若いお客さんがほとんどだったんですけど、その頃のお客さんが大人になって結婚して、家族と一緒に来てくださるんですよ。ちょっと落ち着いたから久しぶりに来てくれるって方もいらっしゃいますし。そういうお客さんは多いなって感じますね。逆に10代で来てくれる方は今ほぼいないんですけど(笑)。

多田　そこの層はごっそり抜けてますね(笑)。30代以降の方からが多いですね。

善し　お子さん連れでいらっしゃる方もありがたいんですが、意外とカップルで見に来てくれる方も多いですね。それもうれしいですね。

――おそらくですが、COWCOWさんは誘いやすいんじゃないですかね。芸風がトガってるコンビとかだと抵抗ありますから。カップルも安心して一緒に行きやすいんだと思います。

善し　性的アピールもないですしね(笑)。

二人の野望は「継続」「解散しない」

――最後に野望をお伺いしたいのですが、何かありますか？

善し　これは何年か前からの野望ではあるんですけど、ひとえに「継続」ですね。コンビの解散とかも周りであったりするなかで、継続することが大事だなって改めて思います。いつまでも舞台でネタをやるっていうのが、なかなかできそうでできないと思うんですよ。「バラエティの司会をやりたい！」とかも昔は思っていたんですが、今は継続のみです。

多田　あとはあれやな。「解散しない」。

善し　そうですね。解散しない。

――COWCOWさんが解散するなんて考えられないですよ！

多田　このチラシの写真は解散するコンビではないですよね(笑)。

――お二人にはずっとステージに立ち続けてもらいたいです。

善し　解散はもちろん一度もよぎったことはないんですけど、やっぱり二人なんですよ。一人じゃできないんですよね。ピンネタは一人でやってますけど、それはあくまで枝葉の部分で。根本は二人じゃないと。

――そういう言葉が聞けてとてもうれしいです。

善し　やっぱり、継続が一番大事なことですよね。舞台にいつまでも立たせてもらえるなら、単独ライブも継続していこうってなりますからね。

――多田さんは何か野望はありますか？

多田　相方が言うてたように「解散しない」というのはあるんですけど、単独ライブの回数を増やせたらなとは思ってます。それこそ、劇場を1か月くらい貸し切って毎日単独ライブをやるスーパー後輩芸人がいてるんですよ。それはすごい憧れますし、尊敬でしかないです。それをできたらなぁという夢はありますね。

――それが実現したらすごいですね。体力が必要なことに、これから挑もうという気持ちがあることにも驚かされます。

多田　昔は何公演かやることもあったんですよ。それがすごい楽しかったんです。「明日も単独ライブだ、明日も僕らだけを見に来てくれるお客さんの前でできる！」って。その快感で忘れられないんですよね。なので、できるだけ単独ライブを多くやりたいなっていうのと、あとは、お世話になってる吉本興業様にいかに貢献できるかってことですね(笑)。吉本様のお役に立ちたいですね。やっぱり30年やってるとそういう気持ちになってきます(笑)。

(取材：山崎淳)

▲『COWCOW 30th LIVE』