何かが“変”な世界観のコントが魅力のお笑いコンビ・キャプテンバイソン。今年初開催された“芸歴5年目以下”の超若手芸人限定の賞レース『UNDER5 AWARD2023』で準優勝に輝くなど、今、大注目のコント師だ。

しかし、コントの世界観と同様にミステリアスな部分が多い二人。そんな二人の人物像を紐解くため、ニュースクランチがお笑い芸人になったキッカケからコンビ結成の理由、そして今後の目標までを聞いた。

▲キャプテンバイソン(西田涼、高野哲郎)【WANI BOOKS-NewsCrunch-Interview】

アカペラサークルでお笑いをした大学時代

――まずは、お二人がお笑い芸人になりたいと思ったキッカケを教えてください。

西田涼(以下、西田) 僕は子どもの頃からお笑いというか、『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ)みたいなバラエティ番組が好きだったんで、そういう世界に憧れはあったんですけど、お笑い芸人になる気はなかったんです。

なので、大学を卒業したあとも普通に就職していたんですけど、大学の友達が卒業後、人力舎の養成所に入ったっていうのを聞いて、おもしろそうだなと思って、僕も会社を辞めて養成所に入りました。

――会社員だった経歴があるんですね! どれくらいやっていたんでしょうか?

西田 3年くらいです。

――そのご友人とコンビを組む予定だったんですか。

西田 それはなかったですね。そいつは先に入ってたので芸歴的に先輩になってたし、そもそもコンビを組んでたんですよ。解散したときに一度誘われたんですけど、僕の前にもう一人声をかけてたらしく、二番手か……というのがちょっと引っかかったので断りました。

▲働いていた会社で転勤になったこともあって辞めました

――(笑)。なるほど。高野さんのキッカケは?

高野哲郎(以下、高野) 僕は、信号機は一個しかない、警察もいないような栃木の田舎で生まれたんですけど……。

西田 警察はいるだろ(笑)。

高野 (笑)。でも、おじいちゃんとかは最近の法律をわかってないから、ノーヘルでバイクに乗ったりしていたような田舎だったんで、娯楽が本当にテレビしかなかったんです。だから『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)、『エンタの神様』(日本テレビ)、『ココリコミラクルタイプ』(フジテレビ)とか、とにかくバラエティは全部録画してましたね。中学生のとき野球部だったんですけど、時間がないから練習の合間に録画した番組を倍速で見たり。

その頃は、僕も自分がやるっていう発想は本当になかったんですね。別世界っていう感覚でした。でも、大学でアカペラサークルに入ったときに、お笑いが好きだから、どうしても曲と曲のあいだにコントをしてしまうようになって……。

西田 どうしても?

高野 どうしても(笑)。アカペラサークルなのに録音して口パクで歌うとか、わかりやすいコントとかをやってたんですけど、それが意外とウケて、反響があったので、本格的にやりたいなと思いました。なので、アカペラサークルでお笑いしたことを僕は「大学お笑い」って呼んでます。

――確かにそれも“大学お笑い”かも(笑)。たくさんあるお笑い芸人の養成所のなかで、人力舎を選んだのはなぜですか。

高野 東京03さんとかラバーガールさんとか、昔から見てた人のなかでも、好きな芸人さんが多かったので人力舎を選びました。

西田が弱ったところを狙ってコンビ結成

――お二人は養成所で出会ったとのことですが、コンビ結成のキッカケは?

高野 もともと西田は別のトリオでコント、僕は違う人と漫才をやってたんです。そもそも人力舎の養成所って、卒業後にそのまま全員が人力舎所属になれるわけじゃないんですよ。

――そうなんですね!

高野 はい、僕たちのころは120人中30人くらい。なので、所属するためには最後の3か月間くらいで結果を残さなきゃいけなかったんですけど、お互い結構やばくて。

西田 査定ライブっていうやつなんですけど、そこで外してしまうと、所属するのは絶望的だったんですよ。

高野 そんななかで僕は当時の相方と解散して。どうしようかなって思ってたときに、養成所の友達から「西田がいいんじゃない」って言われたんです。それまでもカラオケとか行ったりしてたし、西田のトリオも調子悪そうだったからちょうどいいなと思って(笑)。

西田 弱いところを狙ってね(笑)。でも、前からちょっと魅力的には思ってたので、“ま、いっか”と思いました。まだお互い別でやっていたときに「二人で組んだらどうかな」って言ったことがあったんですけど、そのときは「それはうまくいかないよ」って言われて。そうかと思ってたら、お互いどんどん調子が落ちていきましたね(笑)。

高野 でも、それまで僕は漫才やってたし、ツッコミでネタも書いてなかったんですよ。だから西田と組んで完全に真逆になりました。