2022年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)は、ラストイヤー組が準々決勝で姿を消すという波乱の事態が起きた。見取り図や金属バット、ランジャタイなど人気と実力を兼ね備えたコンビが準決勝に進むことができず、いかに“ガチ”な大会であるかが伺えた。

そして、今年もM-1に臨むラストイヤー組は少なくなく、今年だけは後悔を残さないようにと意気込んでいる。そのなかでも、関東でも徐々に露出を増やし知名度を伸ばしているツートライブが、芸歴15年目を迎える今年、初の漫才全国ツアー『闊歩旅』を開催する。M-1ラストイヤーである2023年、初めての漫才全国ツアーを開催する経緯やライバル視している芸人など、節目となる今年に“挑戦する意気込み”を二人にインタビューした。

▲ツートライブ(たかのり、周平魂)

全国ツアーは思い入れのある土地で

――まず『闊歩旅』開催の経緯を教えてください。

たかのり 以前から「全国まわりたいな~」っていう気持ちは漠然とありました。ただ、2023年はコンビ結成15周年やM-1ラストイヤーなど、いろいろな節目ですし、なによりマネージャーからも「ぜひやりましょう!」と言ってもらったことが大きいです。全国ツアーは、M-1優勝した人や売れている人がやるイメージでしたが、“このタイミングでやらなかったら一生やらなそうだな”とも思ったので開催に踏み切りました。

――全国ツアーを意識するようになったキッカケは?

周平魂 昴生(ミキ)と同期なんですけど、ミキは知名度が上がる以前から全国ツアーを開催して、そこでネタを磨いて、M-1でドーンと売れていきました。その姿を見ていたので、いつか自分たちも全国ツアーを……というのはありました。また、2019年にミルクボーイさんや金属バットさんと一緒に『漫才ブーム』という合同ライブで、全国5か所を周らせてもらい、そこで一気に全国ツアーを身近に感じられたことも影響しています。

――毎月単独ライブを開催されていますが、単独ライブと全国ツアーでネタとかは変えるのでしょうか?

たかのり 単独ライブは挑戦的なネタをやることが多いです。なので、めちゃくちゃウケることもあれば、キンキンに冷えることも珍しくありません。ただ、全国ツアーではチャレンジネタはやりませんが、それでも自分たちの色をしっかり見せつつ、僕たちをよく知らない人にも楽しんでもらえるネタをやって「ツートライブのネタは面白い!」と思ってもらえる内容にします。

――ツアー中も単独ライブは継続するんですか?

周平魂 はい。ただ、単独ライブでやったネタでも「全国の人に見てもらいたいな」と思ったらドンドンやっていきます。ツアー初日と最終日ではネタが全部変わる可能性もあるため、各地でいろんなツートライブを見せたいです。

たかのり 今回6都市を周りますが、思い入れのある土地を選びました。スタートとなる神戸は、僕たちが知り合った土地です。それで僕が広島出身で、周平魂は京都出身。名古屋の大須演芸場は漫才を楽しむための空間と言いますか、とても雰囲気ある劇場で。初めて行ったときに「いつかここで単独したい」と二人で話した場所なんです。そして、東京と大阪とお世話になっている都市になります。思い入れのある場所で、念願だった全国ツアーができることは本当に感慨深いですね。

――お二人にとって思い出の場所を選ばれていたんですね。

周平魂 はい。ただ、会場のキャパ問題がやっかいですね。僕たちの集客がどれほどあるのか、ということを計算しながら、駆けずり回りながら小さい小屋を探しています(笑)。