板尾さんのこれからの夢を教えてください

東村 それから、お聞きしたいのは板尾さんのこれからの人生での夢ですね。

板尾 これもいつも聞かれるんですけど、夢はもう叶っちゃってるんで、ないんですよね。夢って、最終目標とか、子どもの頃からなりたかったものとか、若い頃に憧れていたものっていう捉え方なので……。やりたいこともやったし、できないこともやったし、夢は全部叶いました。僕自身のことだけで言えば、極端な話、明日死んでも別にいいくらいです。

東村 そこなんですよ、板尾さん。それってすごく幸せなことだと思うんですけど、老後に向けて、どうかもう一声!(笑) ファンからの願いだと思って!

板尾 はははは(笑)。

東村 「こういうところに住みたい」とか、ちょっとしたことでもいいんです。

板尾 あー、細かいことだったらいっぱいありますよ。僕、スポーツがあまり得意ではないので、スポーツで頂点を目指すみたいなことですかね。でも、それはもう無理だし、願望でしかないんですけど。それと、音楽。僕、楽器ができないので、ギターとかサックスとか、何かひとつ習得したいです。習得すると、趣味につながるとか、また別の楽しさが出てくる気がします。

東村 習得系とは意外でした。

板尾 自分がやったことないことに関しては、人がやって成功していて「楽しいですよ」って言われても実感がないので、興味が大きいですね。朝起きたら、そういう力がついていないかなって思います。

 

東村さんのデッサンを見て衝撃を受けました

板尾 東村さんのデッサン、すごいですよね。僕は自分が目で見たもの、ここにあるものですら絵にできないです。“なんで描かれへんの!? ここにあるのに”って自分では思うんですけど。

東村 うれしいです。たぶん、絵描きの人は、そもそもの見方が違うんですよね。

板尾 そうなんやろなと思います。同じものを見ていても、見方が違うから描けないんですよね。漫画で東村さんのデッサンを見て、「これだけやらないといけないんだ」とすごく衝撃的でした。あるものを描けるというのは、別に画家の才能ではないと思うんですけど、やっぱりそれが基本なんだって知りました。

東村 そうですね。空間とモノを認識する過程で、紙に描いた絵が生まれるっていうだけの話なんです。

板尾 娘の絵を見ていると、すごく上手なんですよ。教えてないし、なんで見たものを描けるんだろうって。

東村 性別でいうと女の子のほうが、いい見方をするみたいですよ。色の認識能力の幅とかも、男女でだいぶ違うみたいです。

板尾 人間って同じように生きて、同じものを共有して……って生活しているけど、概念とか感覚とかは人それぞれ違うんやなって。だから、自分本意ではいけないと、東村さんの漫画を読んでいて改めて思いました。

東村 すごくうれしいです。板尾さんは映画のお仕事もされていて、お話もいっぱいくると思うんですけど、映画のお仕事はこれからもずっとされていく予定ですか?

板尾 そうですね。映画は子どもの頃から見るのが好きでしたし、最近は作る側にも携わらせてもらっていて、映画の仕事は今後もやりたいですね。映画って、後世に残るじゃないですか。だから、今、大ヒットしたり理解されたりする作品じゃなくても、100年、200年、300年後に残っているような作品に関わってみたいです。

お笑いは基本的に“今”が大事ですけど、映画って何百年後にやっと理解されることもあるから。昭和の映画とか、過去のクラシックの映画とか、今見てこその価値がたくさんあるなって気がついたんです。

東村 そうですね。私、この前『ローマの休日』をなんとなく息子と見ていたら、衝撃的に面白くて。子どもの頃に見たような気もするけど、改めて見たらジブリなんじゃないかと思うくらいでした(笑)。いいものは残るんですよね。

(取材:萌映)


<イベント情報>
関西演劇祭 2023
日程:2023年11月11日(土)~19日(日) ※休演日あり
場所:COOL JAPAN PARK OSAKA SS ホール(大阪市中央区大阪城3-6)
参加劇団:Artist Unit イカスケ / 演劇 組織 KIMYO / 餓鬼 の断食 劇団イン・ノート / 劇団FAX / バイク劇団バイク / PandA / MousePiece ree / 無名劇団 / ヨルノサンポ団