接戦に弱く似たような試合展開の繰り返し

今シーズンも残り数試合となったが、原辰徳氏が率いる巨人は2年連続Bクラスが濃厚になりつつある。

原氏が就任してからは、2019年・2020年と連覇を達成したが、2020年の後半からチーム全体で戦力の陰りが見えていたのは間違いない。

▲2019年から自身3度目の巨人監督を務める原辰徳氏 写真:AP/アフロ

2019年は坂本勇人や丸佳浩、岡本和真を中心としたチームで優勝したが、坂本や丸はベテランに差し掛かる年齢ということもあり、2020年から今シーズンのあいだで見ると、苦しんだ時期は少なからずあった。

本来ならその時期に中心選手として成長が期待された吉川尚輝は、打撃面が伸び悩んでいる状況だ。

捕手の大城卓三が今シーズンキャリアハイの活躍を見せているなかで、吉川の成長は必要になっていくだろう。

また、試合展開に関しては2020年の後半から、似たような試合を繰り返しているだけのように思えた。

チーム全体が2019年をピークに、戦い方を含めて時代に追いつけていないように感じている。

今シーズンを振り返ると、阪神に歴史的な負け越し(6勝18敗1分)を喫したが、力の差は歴然だった。

その他の上位のチームとの戦いも、接戦ではことごとく白星を取りこぼしており、典型的な弱いチームの試合運びなのは間違いない。

今シーズンだけを見ると、ロースコアの接戦試合で苦しんでいるのが現状だ。

具体的には、阪神との試合を見ても、ロースコアゲームの弱さが顕著に現れていたように見えた。接戦だからとか追い上げたから惜しかったではなく、大事なカードの接戦を1つも拾えないのは典型的に弱いチームだ。

リーグ優勝や日本一になる強いチームは、どんな相手でも勝ち越しており、接戦の試合に勝利している。

また、1点差リードの試合を逃げ切れる力や、1~2点差のビハインド試合をひっくり返す力が強いチームにはあるが、今年の巨人はそれがなかったと言っていいだろう。

今シーズンに限らず、接戦試合に勝てなければ優勝するのは厳しいため、大きな課題になった投手陣のテコ入れが必要になっていく。