映画『ザ・ファブル』など多くのヒット作を手掛ける脚本家・渡辺雄介による演劇プロジェクト「劇団12ミニッツ」。その旗揚げ公演『×××になれなくて』が10月18日から東京・ブルースクエア四谷で上演される。

デビューしたばかりの4人組K-POPガールズグループを主人公に、その夢と葛藤を描くこの作品で、メンバーの一人を演じるのが、現在19歳の竹内カンナ。2018年のホリプロタレントスカウトキャラバンをキッカケに芸能界に入り、CMやドラマなどでキャリアを重ねてきた彼女は、今回が初舞台。その意気込みとともに、ゴルフが趣味というパーソナルな魅力にもニュースクランチが迫りました!

▲竹内カンナ【WANI BOOKS-NewsCrunch-Interview】

初舞台は才能の壁にぶつかる役に入り込む

――今回、初舞台ということですが、まずは出演が決まったときの気持ちを教えてください。

竹内 これまでは映像のお仕事が多かったので、舞台という新しいお芝居の形に挑戦できるのは、すごく楽しみだなと思いました。

――どういう役柄を演じるのでしょうか。

竹内 才能という壁にぶつかるリア役を演じます。どんなお仕事でも、才能がある人が近くにいると、努力しても追いつけない悔しさを抱いてしまうものだと思います。私も、この世界に入って同じように感じることがあって。

お芝居って正解がないから努力の仕方もわからなかったりするなかで、才能でやってのける人がいると悔しいし、今回演じる役の気持ちがすごくわかるので役に入り込んでしまいました。そんな役柄を任せてもらえたことは、すごくうれしかったです。

――今回、同世代の女性たちが「チームBLUE」「チームWHITE」の2チームに分かれて上演する形態だそうですね。竹内さんが属する「チームBLUE」はどういう雰囲気ですか?

竹内 じつは、もう一方の「チームWHITE」の出演者の方とはまだ会ったことがないんです。でも、演出家の方いわく、私たちはすごく明るいみたいです。最年長と最年少の年齢差は10歳以上離れているんですけど、ずっとみんなでワイワイお喋りしてます。お互いをあだ名で呼び合っていて、自己紹介のときに姉が私のことを「カンピ」と呼んでることをみんなに伝えたので、私はカンピって呼ばれてます(笑)。

――K-POPのグループという設定もあって、歌って踊るシーンも多いそうですね。

竹内 私は821(ハニー)というユニットで活動しているので、普段から歌とダンスはやっているんです。でも、821はずっと一緒にレッスンをやってきた仲間とパフォーマンスするので、今回の舞台のように歌とダンスの経験がバラバラな仲間が集まってパフォーマンスをするということに、難しさも感じています。

821とはダンスの種類も全然違うんですよ。821の楽曲はアイドルらしい雰囲気の曲ですが、今回の舞台のダンスはスタイリッシュでカッコいいものが多くて。慣れていないから、どうやったらカッコよくできるかな? ということを考えて、ダンスが上手な子に聞きながら頑張っています。

あと、私の演じるリアはラップを担当してるんです。普段のグループ活動では、ほかのメンバーがラップをしているので自分はやらないんですけど、この舞台ではカッコよく決めたいです。

――これまで映像のお芝居の経験は重ねてきているそうですが、舞台の面白さはどんなふうに感じていますか?

竹内 映像だと仮にセリフを間違えてしまっても撮り直しができたり、編集されて一つの作品が出来上がりますが、舞台は生のその場のものが全てです。それだけに緊張感がすごくあるし、声の出し方も違いますね。吐息を出しても聞こえないし、ずっと声を張った状態でセリフを言うなど、表現の仕方が全然違うと思いました。

実際にお客さまを目の前にしてお芝居をした経験がないので、「セリフ忘れないかな」とか、心配なことは多いです。同じ事務所にミュージカルや舞台の経験が豊富な子がいるので、その子にいろいろ聞いてアドバイスをもらってます。本当にイチからなので、いろいろ試行錯誤して、演出家の方と一緒に作り上げたものが伝わればいいなと思っています。

――お芝居の経験を重ねるなかで、どこに楽しさを感じていますか?

竹内 私は器用なタイプではないので、小手先だけでやろうとしてもうまくいかないんです。自分の気持ちが入ったときと、入ってないときの差が激しくて。だからこそ、ちゃんと自分で気持ちを作って、キャラクターのイメージを膨らませて演じることができたときは楽しいと感じます。

そうやって自分の中でしっかり落とし込んでお芝居できたなっていうときは、周りに褒めてもらえることも多いので、ちゃんと落とし込んでやるということに楽しみを見い出しています。

――役に気持ちを落とし込むために、どんなことをしていますか?

竹内 台本を渡されたときに、そのキャラクターがどういう生き方をしてきたのか、兄弟が何人いるかななど、台本には書かれていないことを自分で考えて書き出しています。今回の舞台でも、ダンスを始めた年齢、メンバーのことをどう思っているのかなど、自分で考えて書き出して、なるべくキャラクターへの理解を深めるように準備をして臨んでます。

――そのやり方をするようになったキッカケは?

竹内 事務所の先輩が「こういうのをやるといいよ」って教えてくれました。実践してみたら、確かに自分の中で演じやすくなったので、そこから続けています。