不景気と言われる近年、給料は上がらず、物価は上がるばかり。会社員のままでは、富裕層に近づけないのでしょうか? 講演会をプロデュースする会社で、YouTubeチャンネルを立ち上げたり、自らも講師として壇上に立つなど会社員としてのやりがいを感じ、幸せな働き方を推薦している土橋昇平氏に、自分に合った会社選びの基準について聞きました。
※本記事は、土橋昇平:著『会社員にしかできない「最高の働き方」』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。
自分の力を最大限に発揮できる会社の選び方
私が考える、自分に合う会社選びの大きなポイントを4つご紹介します。
会社選定において、まず大切なことは”ビビッ”とくる会社を選ぶことです。
「会社内容に興味がある」「この業界が伸びそう」など、自分なりの基準で会社を選んだあと、その会社のホームページも当然見ますよね。そのときに”ビビッ”ときたかどうか――これが意外と重要なのです。
ホームページには、その会社の文化や雰囲気が濃縮されて詰み込まれています。見るだけで、あなたの「感性」が何かしらの反応を示すはず。そのときに好意的な反応を示したかどうか、とくに初めて見たときの感覚は大事にすべきポイントなのです。
この点は人間関係と似ているところかもしれません。
次に大切にすべきなのは「その会社の企業理念に共感できるかどうか」です。
共感できていれば、その会社で自分の意見(企画)を通しやすくなります。企業理念を自分の味方にできるからです。これは、いわば「理性」の部分ですね。
企業理念は、会社員として価値ある働き方を実践していくうえで、大きな「武器」になります。
入社時の報酬(給与)は気にしすぎない
「感性」と「理性」がクリアできてる場合。報酬の面で納得がいかないからといって、その会社を選択肢から外すのはもったいないと言えます。
私自身、入社当初の報酬には満足していませんでしたが、上記の「感性」と「理性」を味方にすることで、結果的にかなり報酬を上げることができました。ですので、そこを気にしすぎず、入社後に伸びる可能性に目を向けるといいでしょう。
そして「大企業にこだわりすぎない」こと。もちろん、大企業が悪いという意味ではありません。企業の規模にこだわりすぎず、仕事内容で選ぶのも一つの手です。それによって一気に視野が広がることが十分考えられます。
これは”大企業にこだわるな(入るな)”という意味ではありません。”こだわりすぎないようにしたほうがいい”ということです。それはなぜか。私が実際に経験してきた大企業におけるリスクをご紹介します。大きくは次の6つです。
1.上司リスク:規模が小さい会社だと上司リスクが軽減され、会社でもうまく立ち回れる可能性が増えますが、大企業だとなかなかそうはいきません。
2.転勤リスク:日本全国や世界に支店がある大企業だと、避けるのが難しい問題ではあるかと思います。いろんな地域に転職する可能性があるため、仕事やプライベートが落ち着かなかったり、自分でコントロールできない部分が大きいでしょう。
3.税金リスク:たとえば年収1千万とか2千万を稼げる会社もたくさんあります。しかし、今は国の政策的に高年収の会社員に課す税金をどんどん増やしていこうという動きがあるので、10~20年前の年収1千万と、今の年収1千万では手取りの額が全然違うのも事実。実際にもらえる額が大きく減ってきている現実があるので、給与所得の税金が高くなっているところは大企業で働く一つのリスクになります。
4.小回り、融通リスク:たとえば稟議を通すのにも、大企業だとものすごく時間がかかったりします。「この企画がやりたい!」というアイディアを思いついても、企画を通すための稟議など、さまざまな書類が必要となり、実行できる段階になる前に熱が冷めてしまう――なんてこともあります。
5.世間の目リスク:大企業ともなると誰にでも知られていて、イメージが人によってついているものだということです。当然、好意的に思っている人もいれば、そうでない人もいますよね。私の前職の話になりますが、普段は外ではつけない社章をたまたまつけていたら、会社を好意的に思っていない見ず知らず方に絡まれた経験があります。ここまで直接的なものはまれだと思いますが……。
6.スキルリスク:大きな会社になると一人一人の役割が細分化されていて、裁量権がある仕事は若手のうちは回ってこないことが多いもの。それでも給与は徐々に上がっていく。しかしスキル(実力)は給与に見合うほど上がっていないため、転職しづらくなる――といった、弊害が出てきます。
小さな会社であれば、ある程度は自分の裁量でチャレンジできたり、それに伴ってスキルも順当に上がっていくものです。私の場合だと、現在、会社の営業マンでありつつも、動画編集やMCのスキルなど、いろいろなスキルを同時に高めていけております。こうしたことは大企業だったらなかなか厳しかったはずです。