MLBもオフシーズンに突入!

現地11月1日にテキサス・レンジャーズがアリゾナ・ダイアモンドバックスを制し、4勝1敗で球団史上初のワールドシリーズ優勝を果たしました。

シーズン初旬は、お世辞にも優勝が有力視されていないチームでしたが、フロントの巧みな選手獲得が実り、主力選手もしっかり結果を残し、若手選手がポテンシャルを最大限に発揮。皆さん、改めておめでとうございます!

さて、これをもって2023年MLBシーズンは正式にオフシーズン突入となりました。栄冠をつかんだレンジャースとは裏腹に、シーズン当初はワールドシリーズ制覇の最有力とされていたチームを二つ抱えるニューヨーク(ヤンキース、メッツ)では、シーズン中の10月から悲壮感が漂い続けています。

ヤンキースは82勝80敗で、なんとか貯金を2つ残して完走をした一方、メッツは75勝87敗と大きく負け越してしまいました。しかし、メッツは豊富な資金力が健在で、今季オフの目玉である大谷翔平選手の獲得を争う準備は万端とされています。

一方、ヤンキースは指名打者枠が埋まっているため、大谷選手獲得の可能性は低いとされており、これだけですでにオフシーズンで負けている感があるのではないでしょうか。

エースポテンシャルのある確実な2番手先発投手が急務

本記事執筆時点での見込み先発ローテーションと、2023年シーズンの成績が以下の通りとなります。今季サイ・ヤング賞受賞見込みのゲリット・コール選手とシーズン終盤にローテ入りを果たし、覚醒をしたマイク・キング選手以外はかなり不安を持ち合わせており、現状では“盤石から程遠いローテ”となってしまっています。

▲2023年、ヤンキースの先発投手陣の成績

カルロス・ロドン選手は第二のエースとして獲得をされながら、怪我による長期離脱。復活後も防御率6.85と全く期待はずれの成績となってしまったため、もはや全盛期は過ぎてしまったのではないかと不安に思わせてしまっている状況。

ネスター・コルテス選手も21-22年で大ブレイクを果たしながらも、今季は度重なる故障で振るわず、クラーク・シュミット選手も現状は5~6番手以上の投球は期待できない、と全体的に脆さがうかがえます。

また、完全試合を達成するもアルコール依存症の治療でシーズン終盤に離脱をしたドミンゴ・ヘルマン選手が、数日前にアウトライト・ウェーバー公示をされ、退団がほぼ確定しており、デプス(選手層の厚み)も減りつつあります。

一方、昨季主にAAAで投げ、防御率3.61を残しているウィル・ウォーレン選手、マイナーリーグ最優秀投手賞を受賞したドリュー・ソープ選手、現在ヤンキースの若手有望株で最も評価が高いチェイス・ハンプトン選手といった先発投手の有望株が揃っているヤンキースにとっては、ローテのいわゆるポテンシャル枠の候補だけは健在である点は強みと言えるでしょう。

しかし、仮に不調であった選手が復調を果たしたり、ポテンシャル枠の選手が機能したとしても、ヤンキースの最終目標である「世界一」という目標を鑑みると、上記の面子のみでは確実に物足りないと言えるのではないでしょうか。コールと共にエースとなれる選手が必須なのは明白です。

以前にも書かせていただきましたが、この枠にはオリックス・バファローズの山本由伸選手が最も相応しいと私は考えており、日米の各種報道からもわかるように、ヤンキースの争奪戦への積極的な参加は確実です。

大谷選手に次ぐ目玉選手とされている山本選手の去就には、全MLB関係者・ファンからの注目が集まるでしょう(山本選手を獲り逃した場合のことは考えたくないですが、フィラデルフィア・フィリーズのアーロン・ノラ選手、サンディエゴ・パドレスのブレイク・スネル選手、シカゴ・カブスのストローマン選手らも検討の余地があるかと思います)。