道に特化した番組ってなんだよ(笑)
――ともちんぱさんといえば『道との遭遇』への出演で世間にも知られていきました。どういった経緯で出演することになったのでしょうか?
ともちんぱ:歌舞伎町のバーで働いていた頃、たまたま店に来ていた番組プロデューサーに、私がしているギャル式ブレストについて話したらめちゃくちゃ興味を持ってくれて、初回ゲストに呼んでもらいました。
最初は冗談だろ~な~って思ってたんですが、本当にオファーが来てびっくりですよ。ロケもやったことがなくて、まったく意味わからない状態だったんですけど、“とりあえずやってみっか!”と思ったのが始まりです(笑)。
――初回の放送から大きな反響がありましたよね。
ともちんぱ:最初は“道に特化した番組ってなんだよ”と思っていたんですけど、ロケに行ってみたら道マニア界のレジェンドと呼ばれる鹿取茂雄さんに会ったんですけど、思いのほかバイブスが合ってバズりましたね。
本来ワンクールで終わる予定だった番組が、改編期を乗り越えまくって、今は2年目に突入して、600人規模のイベントを開催したり、自分でも何が起こっているのかわからない状況です(笑)。
――(笑)。ともちんぱさんの慣れてない感が良かったんでしょうね。でも、実際に酷道を旅するのって大変じゃないですか?
ともちんぱ:もう、ほんっと大変ですよ。いつも命がけです。1歩踏み外したら落ちる崖とか、向こうから熊が来たら終わる崖とか、大きなゲジゲジが大量に壁に張り付いて交互に飛びまくっている洞窟とかに連れて行かれるので、いつも「マジで行きたくない!」と言っちゃってます。
――番組中に特に意識していることはありますか?
ともちんぱ:素でいることかな? たぶん、タレントさんを使わない理由はそこにあると思っていて。私は何十回も出演しているんですけど、いつも素のリアクションを求められているな~って(笑)。私はカメラがあっても緊張しないタイプなので、普段と変わらない感じでバーって喋ろうかなっていつも思ってます。
――ちなみに番組に台本はあるんですか?
ともちんぱ:台本はないんですよ。基本的に場当たりです。スタッフもロケハンも行っていないし、「撮影許可が下りるかわかりませんよ」みたいなこともたびたび。もうふざけんなっていう感じですよ(笑)。
大きな動物の鼻息の声が聞こえたから車に戻りましょう! みたいな感じです。何も保証がないので、いつか死ぬかもしれないです(笑)。でも、それがいいんですよね。そのスリリングさがないと、ここまで視聴率が上がらなかったと思うんです。
お金を持っている怪しいおばさんになりたい
――最近は「道ギャル」として認知されてきてますよね。
ともちんぱ:認知されていると思います。私は基本的にファン商売ではないので、フォロワー数を増やしたいとは思っていないし、有名になりたいとも思っていないけど、だんだん需要が出てきているのは自覚しています。X(旧Twitter)で番組に関するポストをすると、インプレッションが上がるし、それこそリポストもすごいし。新しい体験をしているなって感じてます。
――有名になるとアンチも湧いてしまうかと思うのですが、アンチに対してはどう接しているのでしょうか?
ともちんぱ:マジレスをしないようにしています。ギャル式ブレストは挑戦的な活動ということもあって、いろいろなメディアに取り上げられるとアンチが湧くことが多いんですけど、そういう現象なんだなと思うようにしています。でも、たまにアンチに対して「遊びにおいでよ」みたいな感じで返信することもあります。暇だったら絡もうかなっていう感じですね。お得意のだる絡みです(笑)。
――それはメンタルが強くなければできないですよ。
ともちんぱ:“うぜえ”と思って相手に呪いをかけるときはありますけど、私は基本的に人に興味がないのでスルーしています。こういう仕事しているから、人に興味あるように思われることが多いんですけど、私は人のスイッチを押すことに興味があるだけなんです。めっちゃビジネス脳です。だから恋愛とか全くできないです。全く無理。意味わかんない。ほんとにわかんない(笑)。
――今後はどんな未来を描いているのでしょうか?
ともちんぱ:めっちゃいっぱいあります。煩悩人生なので自分の人生が映画化されたいし、パリス・ヒルトンともお仕事をしたいし……。将来は何をやっているかわからないんですけど、めちゃめちゃ金持っている怪しいおばさんになる、というのが最終的な到達地点ですね(笑)。
――それはどういうことでしょう…?
ともちんぱ:私はマダムとかおばさんが大好きで、高校生の頃とかも、よく遊ぶ人は60歳ぐらいのマダムだったんです。話していると他人のことを否定せずに、ただ包み込んでくれるんです。あれはもうギャルの進化系だと思いますよ。
(取材:川崎 龍也)