この話は漫画のほうが伝わりやすいかも
――響介さんは過去にもご自身の猫ライフを書籍化されてきましたが、今回の『借金1000万作曲家の人生を変えてくれた猫の話』(小社刊)は初の漫画化ですね。
響介:そうなんです。僕は自分の人生をそのまま話しただけですが、ちとせさんから送ってもらえるネームを読むのが、毎回すごく楽しみで。例えるなら、『週刊少年ジャンプ』の発売日を待っているような感覚でした。
ちとせ:うれしいです! 私は漫画制作のお話をいただいたとき、猫ちゃんたちの個性をちゃんと描くことはもちろん、響介さんは完璧そうだから、猫が絡むと頭が弱くなっちゃう描写や、猫を前にしたときのヤバい笑顔をあえて足し、キャラクター化しようって決めていました。漫画は登場人物に好感が持ててこそ、共感が生まれると思っているので。
響介:なるほど。そうだったんですね。
ちとせ:でも、実際にお話ししたら、本当にそういう方で(笑)。ネームのチェック時にも「もっとアホっぽく」とか言ってもらえたので、作中ではよだれも出させちゃいました。
響介:よだれは猫を前にすると実際に出ているので、全く問題ないです(笑)。ただ、僕のことを描いていて楽しいか、シンプルに心配でした。
ちとせ:最初は不安もあったんですが、誰かの人生を描くことってそうそうないですし、響介さんはどう転んでも魅力的な人なので、すごく楽しかったですよ。
響介:僕は自分がイカれたヤツだという自覚がありますし、結構ヤバい人生を送ってきているので、どんなにヤバいキャラになっても面白ければいいという気持ちがありましたが、ちとせさんが描いてくださったキャラデザインが良すぎて感動しました。あのキャラなら、たぶん何をやっても許されると思います(笑)。
ちとせ:そう言ってもらえてうれしいです。でも、そんな想像をしていたのなら、もっとヤバくしてもよかったってことですかね(笑)。
――漫画を制作するなかで、ちとせさんには気になったことがあったそうですね?
ちとせ:響介さんは日々、ブログを更新されていますが、今回の漫画化を経て「この話は漫画のほうが伝わりやすいかも……」と思ったエピソードって何かありましたか?
響介:ありました! この話はブログで記事にしているんですけど、一度、ソラが突然、寝ているポポロンの頭を思いっきり叩いたことがあって。ポポロンが起きてもソラは「もう一発いくからな」みたいな顔してたんですよ。
ちとせ:なんですか、その状況!(笑)
響介:これは絶対にブログで伝えたいって思ったんですけど、叩く瞬間の写真はもちろん撮れていなかったので、絵で描いて伝えることにしたんです。でも僕、エグいくらい絵が下手なので、「絵が酷すぎて内容が入ってこない」っていうコメントだらけの記事になっちゃいました。
ちとせ:でも、それはそれで強みでは? 響介さんの絵がひとつのコンテンツになったということですし(笑)。
響介:いやいや、何も伝わらないブログになってしまいました(笑)。あと、僕は普段、寝ている愛猫たちの横で暴走して勝手に喋っていることもあるので、そういう日常も漫画にできたら面白いかもしれませんね。
ちとせ:そういえば漫画に描いたんですが、季節によってポポロンがいる階段の高さが変わるのも面白いですよね。
響介:そうなんですよ。ポポロンは暑くなるにつれて、だんだん上に上がっていきます。部屋の温度は気温に合わせて、自動で年中一定になるようにしていますが、猫の体格や性別によっても心地いいと感じる温度は違うので、快適な空間へ自由に移動できるように涼しい部屋や暖かい部屋、ひんやりできる部屋を作っています。
副業:作編曲家、サウンドプロデューサー、ギタリスト、音楽大学非常勤講師
保有資格:【猫健康管理士】【猫疾病予防管理士】【猫のシニア生活健康アドバイザー】
猫と追いかけっこがしたくてマンション購入。猫ともっと本気で追いかけっこしたいがために注文住宅を建築。曲の締切、猫のご飯の締切、住宅ローン(残り32年)に日々追われながら猫たちとの鬼ごっこの必勝法を模索する日々を過ごす。鬼ごっこで勝つために次は山か島を買うらしい。著書に『猫を飼うのをすすめない11の理由』(サンマーク出版)、『下僕の恩返し』(ビジネス社)がある。X(旧Twitter):@HOMEALONe_ksk、Instagram:@rikkufamily、ブログ:「リュックと愉快な仲間たち」