マーキングして、笑気麻酔して…いざ脱毛!
さて、本題に戻ろう。消毒を行った後、照射範囲をマーカーしていく。例えば「鼻下だけ」「アゴ以外全部」など細かく選択することができる(記者の場合は全範囲脱毛)。さらにもみあげの脱毛範囲を選ぶことも可能。思い切ってテクノカットレベルまで脱毛する人もいるそうだ。
範囲が決まると、笑気麻酔の出番だ。
「笑気麻酔」と聞くとケラケラ笑えてくるのかと思ったら、まるでお酒で酔っ払っているような感覚に包まれる。アルコールで「なんだか楽しくなる」ような気分だ。さあ、準備が整った。いよいよ施術に入る。
ピッという軽やかな、まるでコピー機の操作音のような音を出しながらレーザーが照射されていく。鮮やかな緑色のレーザーは、そのポップな見た目とは裏腹に、かなりのパワーを持っている。圧が加わり、毛根も温かくなっている感覚がする。これが総院長が言っていた「光エネルギーを熱エネルギーに変換」というやつだろう。
肝心の痛みだが、まともに受けたら間違いなく痛い。この複数の輪ゴムで一点目掛けてバチバチと叩くような痛みは、数回は我慢できても5回はさすがに耐えられないだろう。だが、麻酔で痛みに鈍感になっているおかげで、体感で30%くらいまで軽減されている印象だ。
スタッフの方と話せる余裕があるほど。何度も照射していくが、やはりそんなに痛くない。その後、二重あごになる首寄りのアゴや頬などを経て、レーザーはもみあげへと向かう。
もみあげは、これまでとは違う種類の痛みがあった。毛をむしり取られているような感覚だ。毛が太く濃い、毛が密集しているので、その分痛みは強くなるのだろう。とはいえ、笑気麻酔のおかげでこちらも難なくクリア。
まるで、お酒の場で足をテーブルにぶつけてしまったときの痛さの感じ方に近いかもしれない。痛みはちょっと遅れてやってくるし、感じたとしても痛さが軽減されているからだ。
そうこうしていると、施術はもう後半戦へ。唇の下にレーザーを当てていく。ここで今日一番の痛みを感じる。たしかに他に比べて皮膚は薄く、ヒゲも密集している。毛抜で抜こうとしたら、アゴよりも痛さを感じる部分でもある。アゴに比べ倍くらいの痛さだろうか。痛いのだが、笑気麻酔を深く吸い込めばなんとか耐えられる痛みだ。
残るは鼻下のエリア。ここが終われば一回目の脱毛が完了する。あれだけ怖気づいていたヒゲ脱毛だったが、鼻下のエリアを残し、あっけないほどにここまで万事順調に進んでいく。
しかし、ヒゲ脱毛において最大の壁が立ちはだかっていることを、このときには知る由もなかった……。