SNSに次々とアップされるカワイイ女の子のイラストが話題を呼び、さまざまな雑誌などで魅力あふれる女の子たちのイラストを手掛けるイラストレーターのさめないさん。
こだわりを英語にするとSticking(スティッキング)。創作におけるスティッキングな部分を、新進気鋭のイラストレーターに聞いていく「イラストレーターのMy Sticking」。今回は、さめないさんに女の子を描くときに大事にしていることや、そのこだわりについてインタビューした。
推しができたら描く女の子たちもメイクを始めた
――普段はどのような活動をされているのでしょうか?
さめない:似顔絵や雑誌の挿絵、ミュージックビデオやグッズなどのお仕事でイラストを描いています。メイクにこだわった女の子のイラストがほとんどですね。
――メイクにこだわった女の子を描くようになったキッカケは?
さめない:そもそも、私自身はメイクに全く興味がなかったんですけど、あるときからK-POPにハマって推しができて、以前よりも自分の身なりに気を使うようになって、それからメイクに興味を持ち始めたんです。
そしたら、自然とイラストの女の子もメイクを始めたって感じですね。私が“メイクしてて楽しいな”って思う気持ちが絵にも出てるんだと思います。“肌をツヤツヤにしてみよう”とか“まつ毛を束にしたらカワイイかな”とか、細かいこだわりが出るようになりました。
――女の子を描くときに特にこだわっている部分はありますか?
さめない:幼い頃から女の子の絵を描くのは好きでした。お姫さまとか魔法少女とか、そういうカワイイ女の子が大好きでした。以前、コミックエッセイを描いていたときは、自分が描く“絵の女の子に自分の気持ちを表してもらっていた”ような感じがしてたんです。
それが、最近は自分を表現しているというよりは、アイドルとかを見て“カワイイ”って感じるように、自分もその絵の女の子を見ている立場になって、目が離せなくなる女の子を描きたいと思っています。
――自分で推しを描いてるみたいな。
さめない:そうですね。“こんな子いたらカワイイだろうな”っていう気持ちで描いてます。カワイイ女の子を見たときに感じるトキメキを収集して、それを絵で出力して“カワイイ!”と思ってます(笑)。
――究極の自給自足ですね。うらやましいです(笑)。可愛らしく見せるために一番気をつけていることはなんですか?
さめない:雰囲気に合わせてメイクを考えているんですが、すごく楽しいんですよ! リップの色を抑えめにしたりとか、絵の雰囲気に統一感が出るメイクになるように気をつけてます。
――さめないさんの絵のメイクは実際に参考にしたくなります。
さめない:ホントですか!? ありがとうございます。
――唇と目が特徴的ですよね。カワイイのバリエーションもすごく豊富で。
さめない:そう言っていただけるのはうれしいです。私もいろんな系統の女の子を描きたくなる気持ちがあるので。“今日はクールな感じでいこう”とか“今日はふわふわした子を描こう”とか、自分の気持ちに合わせて描いてます。カワイイ女の子を見たらインスピレーションが湧いて「描こう!」ってなりますね。
描いてる女の子の素顔は自分でもわからない
――女の子を描かれるうえで、その子たちのバックボーンなども考えたりしますか?
さめない:昔は、ほぼ自分を投影した子を描いて、自分の感情を表現してもらってたんです。でも、最近描いてる絵は、好きな子とかモデルを見ている感覚で描いてるので、自分でも素顔がわからないという感じですね。
シチュエーションとかは舞台をセットする感覚で、“衣装はこんなのが似合うかな?”とか考えるんですけど、素顔はわからないです。私自身が“この子はどんなことを考えてるんだろう?”って思いながら描いてるところはありますね。
――それはすごいですね! スタジオでモデルさんの写真を撮ってるみたいな感じですか?
さめない:まさにそうです。私生活はナイショみたいな。“この子の素顔は、どんな感じなんだろうな?”って考えながら、私自身が知りたいと思って描いてるかもしれないです。だから、生い立ちとかも全然わからないです。
――さめないさん自身が、描いてる女の子のファンってことですね。
さめない:そうですね。自分でも言ってて不思議な感じです。
――さめないさんって、カワイイを感じる力がすごくありますよね。
さめない:たしかに“カワイイ”と感じる幅が広いかもしれないですね。カワイイ収集が上手なのかもしれないです。
――女の子を描くときに参考にされてるものってあるんですか?
さめない:ポーズを取らせることが本当に難しいので、恥ずかしいんですけど、だいたいは自分でポーズを取って写真を撮ってます。絵を描いて、すぐに写真を消したくなるくらい恥ずかしいです(笑)。