「はちさん」や「サカバンバスピス」などのシュールで漫画がSNSで話題を呼び、注目を集めるイラストレーターの遊ハち。10月26日には自身初となる書籍で、一緒に暮らすハムスターとの様子を描いたマンガ『今日もハムスターから目が離せない!』(KADOKAWA)が刊行された。
こだわりを英語にするとSticking(スティッキング)。創作におけるスティッキングな部分を、新進気鋭のイラストレーターに聞いていく「イラストレーターのMy Sticking」。遊ハちさんが描くキャラクターの原点について、創作の方法や絵を描き始めたキッカケなど、ニュースクランチがインタビューでいろいろと聞いてみました。
「はちさん」は背景イラストのサブキャラだった
――まずは、遊ハちさんが描かれる魅力的なキャラクターについてですが、「はちさん」はどういうキッカケで描こうと思ったんでしょうか?
遊ハち もともとは一枚の絵の端っこにいるサブキャラとして描きました。当時は背景のイラストを描くのが主な活動だったので、その絵のなかに「はちさん」を描いたのが始まりです。
――「架空の世界の旅をする」シリーズで描かれたのが初出ですよね。
遊ハち そうです。「倒木の家」というイラストですね。そこにいたはちさんがSNSで評判が良くて、はちさんをメインに描き始めました。ですので、初めからキャラとして描いたわけではなくて、なんとなく描いたものが評判を呼んだって感じでした。そこからキャラをつけたり、イラストやマンガを描いてみようと思いました。初めは「はちさん」の形だけがあって、そこから深堀りして生態とかを考えていきました。
――そこで脊椎動物で背骨があるっていう設定になったんですね。
遊ハち はい。昆虫のハチよりかなりデカくて、犬や猫くらいのサイズがあるとか、背骨があるっていう設定とかをつけていきました。一番初めのイラストの説明文には「どんくさい」としか書いてなかったので(笑)、その一文から広げていきました。
――その“どんくささ”が可愛らしいですよね。
遊ハち はちさんの動きの元にしてるのは、家で飼ってるハムスターだったりとか、それこそ犬や猫とか、小さい子どもの突飛な動きだったりするので、かわいらしさが出てるかもしれないです。身近にいる生き物の雰囲気で描いてます。
――ちなみに「遊ハち」というお名前って、ハチが好きだからということでしょうか?
遊ハち はちさんを最初に描いた背景イラストがSNSでバズったときに、当時まだ作家名をつけずに投稿していたので、“ハチがバズったからハチを名前につけちゃおう”って感じつけました(笑)。
――はちさんがマンガになったときは学校に現れましたが、なんで学校だったんでしょうか?
遊ハち 学校で大きな虫が出ると大騒ぎになったような記憶があったんです。そういうあるあるな感じの日常に、あり得ないサイズのはちがいたら面白いかなと思って、学校にしました。
――最初の頃は動物っぽかったですが、だんだん知性があるようなキャラになっていきましたよね。
遊ハち そうですね。一緒にゲームしたり、人間と会話しちゃったりとか(笑)。