私の友達が私の“お父さん化”するという現象

私より若い世代の子たちの話を聞いていると、自分の親と友達のように仲が良くて、まるでアメリカのハッピーなホームドラマのような関係性でびっくりする。

私とお父さんは決して友達のような関係性じゃない。親子や家族、という感じもあまりしない。BABIは自由気ままに育てられてきた、と思っている人も多いみたいだけど、どちらかといえば、お父さんは私に厳しかったと思う。

それは子供なのに子供扱いしないとか、何かするときに自分が決断しなければいけないという厳しさかもしれない。そういう意味では甘くなかったと思う。そんなお父さんだから、私の友達も何か悩み事があったら、私のお父さんとして接するのではなく、信頼できるひとりの人として直接相談に来る。

お父さんは人間が好きなのだ(私も)。
そして、お父さんは善と悪で判断しない。
あくまで、この人にとって良いか悪いか。

例えば、この男の人はBABIにとっては善だけど、違う女の子にとっては悪のこともある。だから、友達も彼氏の相談をすると、それぞれアドバイスの内容が違う。高収入だから良いとか、不良だからダメとか、そういうことでは判断しない。

みんな、そういうお父さんの影響を受けて、いつの間にか友達の思考・思想も、私のお父さん化してきている。

そして「BABIのお父さんがそう言ってるんだから、そうなんだよ」って。私よりも、みんながお父さんを信頼する関係性を築いている謎の状態になっている。だから、友達と話していると、たまにお父さんと話してる感覚になったりもする。

これって一体、なに現象??

ちなみに、お父さんは植物が大好きで、育てるのも上手。そして映画が大好き。お父さんと一緒に映画を観ていると、私が知らないことをたくさん解説してくれる。それを友達に話すと、「じゃあ、あの映画のあのシーンについてよく分かんないから、BABIのお父さんに聞いといて」とLINEが送られてくる。

子供の頃から、自宅で一緒に映画を観ることが習慣になっている 画 : BABI 

そうなっている理由のひとつが、お父さんは言いづらいこともハッキリ言える人だからだと思う。例えば、映画のテーマが差別の問題だったとしても、その背景や実情を遠回しに言ったり美化したりしないで、現実をちゃんと伝えてくれるから。

最近は、私の視点や感想のほうが映画を理解する解像度が高くなったみたいで、
「BABIと一緒に観るのが好き」と言ってくれる。

普通に嬉しい。


プロフィール
 
BABI(ばび)
1991年9月13日生まれ。絵描き。東京FMリリー・フランキー『スナック ラジオ』に出演。
Instagram : babi_0913 X(旧Twitter) : @babiart0913