マイホーミー・ゆきよ

幼稚園児の頃に、お父さんから「今住んでいるこのマンションに、BABIと同じ年齢の女の子がいたよ」と教えてもらったんです。

彼女は誰もが知っている企業のご令嬢で、夏になると軽井沢へ行ったり乗馬をしたりと、正真正銘のブルジョア。

初めて会った瞬間、そのキラキラした佇まいから「本物のお嬢様だぁ!」と幼心に思ったことを憶えているくらい。

それが、ゆきよ。

▲出会ったころのゆきよ 画 : BABI

夜のコンビニという私たちのユートピアへ

本格的に仲良くになったのは、小学生の頃から。

通っている学校は違ったけれど、2人とも親が働きに出ていて家に居ないことが多かったから、マンションのロビーでおしゃべりしたり遊んだり。

いつの間にか常に一緒にいるようになって、そして私たちはマンションを飛び出し、いつしか夜のコンビニへ繰り出すようになったんです。

そう、小学生の私とゆきよのお目当ては、もちろんお菓子!
ではなく……エロマンガ!!(笑)

その頃はまだ立ち読みができた時代で、とにかく2人でエロマンガを読みまくる毎日。

そのうち店員さんとも仲良くなって、ゆきよがお婆ちゃんからもらっていたおこづかいで、何かしらの理由をつけてエロマンガ(もしくは、実話ナックルズ)を買うように。今思えば、内容なんてほとんど理解していなかったけど、とにかくハマりまくり!

しかも、女性向けのエロマンガやレディースコミックじゃなく、ガチガチなやつ(笑)。レディコミも読んでみたけれど、私もゆきよも「違う、違う、これじゃない! 恋愛の描写はいらない。キュンキュンしたいわけじゃない。もっと究極のファンタジーが見たいんだ!」って共通認識があった。

そう、私たちは直球のエロを求めているんだ! と(なにが?)。

数あるエロマンガのなかで、2人にとって特に評価が高かったのは、擬音の使い方が面白い作品。「パピッ!」とか「ぴぴぴぴ〜」とか、ゲラゲラ笑いながら読んでたな(笑)。

ゆきよは、とにかくエロマンガに詳しいんです。もしかしたら、この世にあるエロマンガを全て網羅しているんじゃないか?ってくらい。今でも「最近のおすすめは?」と聞くと、知らない作品がどんどん出てくる。

しかも、そのほとんどが「管理人もの」(※マンションの管理人さんがアレコレ何かする……)というマニアックな設定。その設定が腹立つほど高評価につながるという謎ジャッジ。

だからといって、それが彼女の性癖というわけじゃなく、私もゆきよもそういう願望があるわけでもないし、ぶっちゃけ2人とも性欲が強いわけじゃない。面白い! と思うツボが一緒なのかな?

そういえば、たまに一緒に普通の映画を観るんですが、話題作やヒット作じゃなくて、レビューの評価が2(★★☆☆☆)くらいの作品を探すんです。2.5とか見つけるとテンション上がりまくって、終始見ながら爆笑。評価2の映画って角度を変えると最高なんです。

当時の私たちって、エロの世界に興味はあったんだけど、きっと自覚していなかったんだと思うんです。でも、お互いが運命的に出会って、コンビニでエロマンガを手にした瞬間、ブシューって開花した!(なにが?)