健やかなる子らにとっての2023年
――2023年はどんな年でしたか?
ハヤシ:たぶん50本だったと思うんですけど、人生で一番ライブをこなしました。だから、初めてのことがいっぱいありましたよ。初めての場所もいっぱい行きましたし、いろんな敗北といろんな涙と……。
ヨシダ:よく泣いちゃいますね。
――ヨシダさん、よく泣かれるんですか?
ヨシダ:泣くんですよ、俺(笑)。悔しくて泣くこともありますし、高まって泣くこともあります。
――それはライブの出来ですか? それとも、集客が望んでいるものではなかったとか。
ヨシダ:もちろん、それはありますね。
ハヤシ:結局、己の弱さみたいなところがあるんですよね。自分たちのことを信じられなかったというか。ステージで隣に立つメンバーを見たときに、“こいつ、俺のこと信じてないぞ”みたいな。その不和から来るんですよ。僕がよくする表現があるんですけど、フロアは夜の海に似ていると思うんです。
夜の海と向き合って対峙したときの、あの恐怖感がフロアに充満するときがあって、それは、メンバーも俺もお互いを信じてなくて疑っている瞬間なんだと思います。
――夜の海と向き合うって良い表現ですね。そういう状態では、やっぱり良いライブはできないと。
ハヤシ:できないですし、何をしているのかよくわからないまま時間が過ぎて、終わってしまいますよね。そういうときって、音が何も聞こえなくなるんですよ。
――その感覚ってメンバーの共通認識としてあるんですか?
ヨシダ:全員が感じていると思います。特にボーカルの彼が感じているところではあると思うんですけど。
――2023年の一番の思い出は何がありますか?
ハヤシ:『aosag1』のリリースイベントのファイナルが吉祥寺WARPでありましたけど、それは気持ち良かったですよね。
ヨシダ:僕らの2枚目のミニアルバム『u2semi』が、初日でソールドアウトしたのはすごくうれしくて、それが一番思い出に残りました。
ハヤシ:場所もありますね。
ヨシダ:僕たちは場所をすごく大事にしているんです。ハヤシの地元にも行かせていただいたんですけど、出会った頃からその話はずっとしていたので、彼が育った場所でライブをできたのはすごくうれしかったです。特にうちのベースが喜んでましたね。
俺たちがカッコイイと思ったものを共有したい
――セカンドミニアルバム『u2semi』のコンセプトを聞かせていただけますか?
ハヤシ:最初から夏と緑という2つのテーマでいこうと考えていました。僕は作詞でヨシダが作曲をしているんですけど、上がってきた曲に対して、僕が思う夏と緑というテーマから引っ張り出してきたもので書き上げました。
ヨシダ:1曲1曲、いろんなジャンルを意識して作ったんですよ。ポップパンクだったり、ショートチューンの曲だったり、それぞれにテーマをつけて初期衝動的に作り上げていきました。
――曲の流れは、どのような意識で配置したんですか?
ヨシダ:ライブのセットリストを意識しました。曲順で揉めることはなかったよね。
ハヤシ:反論なかったね。すんなり決まっていきました。
――今回も前作に引き続き音源がシンプルで短いですよね。それが心地良いというか。
ヨシダ:僕、長い曲がめっちゃ嫌いなんです(笑)。短い曲がすごく美しいんですよ。それこそ、サビのあとにギターソロみたいな教科書的な作り方が嫌いで。短い曲に影響を受けた部分も大きいと思うんですけど、意識して短くしているというよりは、もう短い曲しか書けないかもしれない。長くて2分半がマックスかな。
――最後にバンドとしてこうありたい、みたいな理想はありますか?
ハヤシ:バンド活動って、そもそも身内ノリに近いものだと思っているんです。俺たちがカッコイイと思ったものとか、仲間たちがカッコイイと思ったものが確かにあって、それをどんどん広げていって最終的に全員が身内になればいいなと。全員が同じ価値観を共有できたら素晴らしいじゃないですか。僕はみんなと友達になりたいんですよね。だからこそ、俺たちがカッコイイと思ったものを共有したい。
ヨシダ:僕らに影響された子たちが始めた音楽を、僕らがフロアで見ることができたら終わりにしたいと思います。一番幸せじゃないですか、音楽やっているうえで。
(取材:川崎 龍也)
「現場主義」
2024年4月17日(水)
<東京> 新宿ACB
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2024年4月19日(金)
<茨城> 水戸LIGHT HOUSE
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<東京> 新宿Marble
「Groovy Night vol.20 "Yaaasss!!"」
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<東京> 下北沢BASEMENTBAR・下北沢THREE
PATTERN SIX 所属
MAIN Vo./Gt. ハヤシネオ
Vo./Gt. ヨシダフミヤ
Vo./Gt. スズキカイト
Vo./Ba. キョウオカタカノリ
Dr. ナオイカンタ
〇「健やかなる子ら」オフィシャルサイト