関東人だからこその「THE新喜劇」をやりたい

――5月に主催する新喜劇公演が行われます。どんな内容になるのでしょうか?

千葉:今回はバージョン2(ver.弍)で、前回は後輩に集まってもらったんですよ。(インタビュー時点で)まだ何も決まっていないので、あくまで僕の理想ですけど、今回は中堅の方やベテランの方にも出ていただきたいです。そこで、関東人だからこその「THE新喜劇」をやれたらなと。

あと、自分はちょっとノリで生きちゃってるところがあって……。今回のライブのチラシは傘を差している写真なんですけど、前日に写真を撮ろうと思い立っただけだし、ただ雨が降っていただけなんですよ。マネージャーから「傘を持ってる写真は、メッセージ性が出てしまうので、どうなんですかね」と言われたんですけど、メッセージ性は本当にゼロなんです。

――(笑)。

千葉:それから、僕、冠婚葬祭で使うような礼服を持っていなくて、いつも衣装さんからレンタルしていたんで、さすがに買いに行ったんです。でも、お店の人に勧められて、紺のスーツを買っちゃいまして。

――礼服を買いに行ったのにですか? ノリで生きてますね〜(笑)。

千葉:セールストークが上手だったんでね(笑)。そうしてスーツをゲットしたのと、その週に森ノ宮よしもと漫才劇場での出番だったので、近くにある大阪城公園で撮ろうと思って。……だから本当にノリなんです。でも、そこは自分のいいところでもあるので、次の公演でも練り込められたらいいなと思っています。新喜劇で学んだことはたくさんあるので、それを活かしたいですね。

▲ノリで生きてきちゃったんでね(笑)

――同世代や後輩など、千葉さんが一目置く座員さんを教えてください。

千葉:同世代だと、すっちーさん。舞台袖で“なんだこのモンスターは!”と思いましたし、この人が、映画とかドラマに出たら面白いだろうなって思います。

後輩は、吉田裕と​​松浦真也ですね。新喜劇には、いろんなタイプのツッコミがいるんですけど、裕くんはタイミングの鬼。そこは天才的ですし、声もいい。彼じゃないと(すっちーとの)乳首ドリルは生まれなかったなと思います。

松浦は、関西人なのにイタリア人みたいなセンスの持ち主。ギターを使うんですけど、「こんな雰囲気のBGM流して」と言ったら、すぐに出してくれるんです。さらに、僕が言ったことに対して、「じゃあ、こうしたらもっと面白くないですか」とプラスになる意見を出してくれます。じつはセンスのかたまりで、松浦とネタを考えるのは楽しいですね。

――近年、ルッキズムが取り沙汰されています。新喜劇は見た目をイジるボケも多くありますが、そのあたりはどう感じていますか?

千葉:新喜劇でも少しずつは減っていますが、(容姿いじりなど)唯一やってますもんね。例えばハゲをイジるとき、世間の皆さんに向けてイジるのはよくないけど、舞台上に立ってる一個人だとOK……みたいなところがあったんですけど、それすらも危うくなってきたじゃないですか。

この前、僕が、「ブサイク」と呼ばれる子を好きになる役で、台本上ではその子を最後に突き放す笑いのとり方だったんですよ。それを読んだときにすごくイヤで、“この子を好きになるんであれば、せめて最後まで好きでありたい”と、内容を変えさせてもらいました。アドリブで入れたのは、その子のことをおもしろおかしく言うけど、それが俺の好みなんだからと言い張ること。そうすることで成立させようと。

岡田直子ちゃんというツインテールをしている子なんですけど、髪が長いので「シルエットがゴキブリなんだよね。でも、そのシルエットがゴキブリみたいなところが好きなんだよ」って言い切る(笑)。“私の好みはそうなんだ”という流れにさせていただきました。そうやって、なんとか戦っていけたらいいなと思っています。

――2025年には50歳を迎える千葉さん。今後の構想があれば教えてください。

千葉:僕が新喜劇に入った意味があれば幸せなので、関東人が新喜劇をどう盛り上げていくのか……。追随する人が出てきてもいいし、今までなかなかできなかった「関東で新喜劇」をもっとできたらいいなと思いますね。

(取材:浜瀬 将樹)


▲千葉公平なんばグランド花月初公演 千葉ちゃんと新喜劇ver.弍
プロフィール
 
千葉 公平(ちば・こうへい)
生年月日:1975年10月24日
身長 / 体重:184cm / 74kg
血液型:B型
出身地:千葉県 柏市
趣味:カラオケ / 映画 / バスケットボール / TVゲーム / 錦鯉 / カメの飼育
特技:おしゃべり / 司会 / お芝居
出身/入社/入門:NSC東京校 2期生

X(旧Twitter):@chibanari1024​