「高校生あるある」動画がTikTokやYouTubeを中心に人気を集める、お笑いコンビ・土佐兄弟の卓也。思春期に突入していく中学2年生の双子の姉弟を主人公にした漫画『思春期姉弟』(小社刊)。誰もが経験したであろうちょっと痛い、思春期ならではの日常が描いている漫画家・みそくろ。
それぞれの学生時代の経験や、実際に出会った人物をもとに作品・ネタを作っているという二人が、お互いの作品の魅力、忘れたいけど忘れられない学生時代の黒歴史を語ってくれた。
「考える」というより「記憶をたどっていく」
――『思春期姉弟』では中学生時代のリアルな痛々しさなどを漫画で、土佐兄弟さんは主に「高校生あるある」をSNSに投稿されていますが、その題材やネタはどのように考えているんですか?
土佐兄弟 卓也(以下、卓也):僕らの動画のネタは主に弟が考えているんですけど、「文化祭の準備のときに腕まくりして仕切るヤツ」いたなとか、弟が学生時代に出会った子を思い出しながら再現してます。だから、「考える」というより「記憶をたどっていく」という感じですね。
みそくろ:私も一緒で、記憶から引っ張り出していく作業のほうが多いですね。私は学校職員として働いていた経験もあるので、そのときに出会った子とかもキャラクターの参考にしています。
卓也:学校で働いていたんですね! じゃあ、僕らよりもいろんな学生と出会ってきたんですね。
みそくろ:そうですね。最近まで働いていたので、いろいろな子と出会ってきました。学生時代のことだけじゃなく、何かを表現するときは実際に見たもののほうが、ゼロから作るよりもリアリティが出るんじゃないかと思います。こういう人がいたら……と想像して描くと、セリフを言わせてる感じになるんですけど、実際にいた人を思い出しながら描くと、日常を切り取ったようになるんです。
――なるほど。でも、記憶をたどって表現するからこその苦労もあるんじゃないでしょうか。
卓也:ありますね。僕らの場合は4年ぐらい毎日投稿をしているので、InstagramとかTikTokには1500本ぐらい動画が上がってるんですよ。だから、だんだんネタが尽きてきて(笑)。普通の高校生だったら、もう卒業してますから。
みそくろ:たしかに(笑)。YouTubeをよく拝見させていただくんですけど、スクロールしてもしても違う動画があるので本当にすごいなと……。
卓也:さすがに記憶にある「高校生あるある」は出尽くしたので、最近は大学生バージョンをやったり、僕がメインで「あるある」とは逆の「なしなし」を投稿しています。「なしなし」だったら、あり得ないことをやるだけなので、延々に作れるんですよ(笑)。
みそくろ:ネタの多さに圧倒されますね……。しかも、これまでにやってきたキャラクターの幅も広いじゃないですか。だけど、どの子も「こういう子いたな~」って思えるのがすごい! 個人的には岡林(ダイゴウ)くんがすごく好きです(笑)。
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卓也:岡林くんですか! うれしい!
みそくろ:見ていてワクワクするんですよ。彼のキャラクターはもちろん、特徴的な挙手の仕方など細かい部分にまで彼の性格が表現されていて、すごいなと思います。
卓也:弟は憑依型なんですよ。形態模写というか、憑依させてキャラクターを演じているので、自然とそういう所作も表現できるんだと思います。そういう器用さがあるから、ものまねもできるんですよね。