柊と同じく頼まれたら断れません(笑)
――富田さんから見てツムギの魅力って、どんな部分ですか?
富田:私自身はメンタル的な面でいうと、柊に近いなぁとは思っていて。「ここは自分の意見を出さないほうがいいのかな」とか探ってしまうこともあります。でも、ツムギは「いや、それは違うでしょ!」とか「私はこうだから!」っていうのをはっきり言えるので、うらやましいなぁって。私の隣にいてほしいです(笑)。
ツムギの“自分を持っているところ”が魅力なんですけど、年相応の女の子らしいところもあるので、美味しいものを食べたときは、素直に「うまし!」と言ったりとか、おちゃめな部分も可愛いです。
――どちらかというと柊に近いというお話もありましたが、作品全体を通して柊に共感する部分が多かったですか?
富田:柊はもちろんですが、ツムギにも共感できるところはすごくありました。ありがたいことに学生の頃からお仕事をさせていただいていたっていうのもあって、達観してしまう部分があるというか、幼少期からあんまり子どもっぽくなかったんだろうなって思うんです。
三人姉弟なんですけど、真ん中の弟はどちらかというとツムギ寄りの性格で、お茶目で可愛げがあって……っていう感じなんです。家族で親戚のおうちとかに遊びに行くと、一番可愛がられるのはやっぱり弟なんですよ。そういう意味で、空気を読もうとしちゃうみたいなところは、“柊、その気持ちわかるよ!”って思います。
ツムギで共感した部分でいうと父との関係性です。私も学生時代、父とうまくコミュニケーションがとれなくて……。高校3年間は全く口をきかなかったぐらいで、勝手に「どうせ私に興味がないんだ」と思っちゃっているところがあったんです。なので、ツムギの父へ想いをぶつけるところは、ちょっと似ているなって思いました。
――富田さんも柊と同じく、頼まれたら断れない性格ですか?
富田:そうですね(笑)。頼られたいみたいな気持ちはそんなにないんですけど、「断ったら嫌われちゃうかな……」とか、そういうことを考えちゃう気がします。
――ご自身の性格をひと言で表すと?
富田:うーん……気にしい。他人はそんなに自分のこと見てないよ、っていうのはわかるんですけど、どうしても気になっちゃいますね。あとは、イベントやライブなどに出演させていただくときに、やることが10あったとして、1つ間違えただけでめちゃくちゃへこみます。できた9の部分より、できなかった1が気になります。
――そういったときの気持ちの切り替え方などありますか?
富田:弟に話しますね。弟はあっけらかんとマイペースな性格なんです。私が出演するイベントとかライブ、アニメとかも見てくれているんですよ。ズーンって沈んだときに相談するんですけど、よく言われるのが「失敗しても死なないから大丈夫だよ」っていう言葉で、そう言われると「確かにそうだね!」ってなります。
――お話を聞いていると、ご姉弟とすごく仲が良さそうです。
富田:めちゃくちゃ仲良いです! 一番下も弟なんですけど、それぞれと買い物に行ったりとか、ご飯に行ったりもしますね。
大人の女性を演じることが増えました
――旅をしながら成長する物語ですが、旅と聞いて思い起こされる思い出はありますか?
富田:旅とはちょっと違うかもしれませんが、高校の卒業式がすごく思い出に残っています。卒業式の翌日に大分県でお仕事があり、前乗りしていないといけなかったんです。なので、自分の卒業証書をもらったら、そのまま担任の先生と教室までダッシュして、あらかじめ持ってきていたトランクケースを持って「先生、行ってきます!」って、そのまま飛行機に乗って大分に行きました。
卒業式のあとって、学校の前とかで友達と写真を撮ったりするじゃないですか? それができなかったのが心残りだったんですけど、仲の良い友達が、自分たちが撮った写真に私を合成して送ってきてくれました(笑)。
――ステキなご友人ですね。お仕事で自身の成長を感じる部分はありますか?
富田:自分が10代のときは、わりと等身大のキャラクターを演じる機会が多かったんです。でも、自分が大人になっていくにつれて、ちょっとお姉さん的な立ち位置のキャラクターとかを任せていただく機会が増えてきました。
そういう意味では、年齢とともにお芝居の感じも、ちょっと大人のものができるようになってきたなっていうのは、成長できている部分なのかなって思います。
――『好きでも嫌いなあまのじゃく』、劇場やご自宅(Netflixで独占配信)で楽しめる作品になっているかと思います。映画の見どころと、メッセージをいただけますでしょうか。
富田:誰もが抱えたことがある、そんな悩みを題材にしてる作品なので、柊やツムギくらいの年齢の人たちは、すごく共感できる部分が多いのではないかと思います。また、お子さんのいる親世代の方々にもすごく刺さる気がします。親世代の方々は、ツムギのお父さんお母さんや、柊のお父さんに共感したり感情移入できるんじゃないかなって思います。
子どもから大人まで幅広い世代に刺さる作品だと思うので、ぜひ家族だったり、友達だったり恋人だったり、いろんな人と見に行っていただきたい作品です!
〇映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』公式サイト