山口コンボイを諦めない

――2025年になりましたが、2024年はケビンスにとってどんな1年でしたか?

仁木:2024年のテーマとして「山口コンボイを諦めない」というのがあったんです。普通のコンビって、ダメ出しをすると改善されていくと思うんですけど、2年間くらい、平たくいうとずーっと同じことをダメ出ししているような感覚があって、これはよくないな、って、2023年は一旦諦めたんです。

例えば、「ゴミをポイ捨てしてはいけないよ」と注意したら、コンボイはゴミを捨てなければいいのか、ってそれだけを気をつけるんです。いや、次からゴミをポイ捨てしないように、ゴミ袋を持ち歩こうとか、そこに考えが至らないんですよね。

――コンボイさんに成り代わって言うと、むじぃ~って感じですかね(笑)。

コンボイ:たしかに(笑)。

仁木:一旦、注意するのをやめたら、2023年はケビンスとして全体的にあまり納得の行く結果にならなくて。“コンボイに向き合ってなかったもんな”と思ったんで、“じゃあ2024年はもう一度向き合ってみよう、諦めないで話をしよう!”と思った1年でした。結果、M-1の準決勝には2024年も残れなかったんですが…。

――でも、準々決勝でも凄くウケてましたもんね。なんなら瞬間最大風速では1番くらい。

仁木:ありがとうございます。でも、実際に“今年は向き合うからね”とか、コンボイに伝えたわけじゃないんですけど、そんな僕の姿勢を感じ取ってくれたのか、以前よりもきちんと聞いてくれるようになったのは、凄くデカかったな、と思います。

コンボイ:ずっと、ちゃんと聞いているつもりだったんですよ、言い訳になっちゃうんですけど。

仁木:言い訳だなあ。

コンボイ:でも、自分で言うのもなんですけど、M-1の準々決勝も、自分たちでは面白いものができた、と思ってますし、仕事もどんどん楽しくなっているので、このままの感じで行けたら良いなと思ってます。

仁木:最近は子育てに近いのかな、と思ってます。

コンボイ:子育て!?

――(笑)個人的には、ケビンスのお二人には、あまり俯瞰になってほしくないというか、ずっと主観で突き進んで行ってほしいなと思うんですよね。

仁木:ああ、ありがたいですし、凄くわかります。でも、結局コンビの不和って、目標が違ったり、熱量が違ったりすることが原因な気がしていて、コンビの目標は一緒なので。

 

どんな現場でも1年間ウケ続ける

――コンビを結成してから、ここは成長したな、という所はありますか?

仁木:コンボイは沢山あるんじゃない?

コンボイ:なんですかね…ジャンプ力?

仁木:ジャンプ力!?

コンボイ:いやいや、でもこれはね、スポーツ系を担当するタレントさんがいるじゃないですか。そういう方で売れている方ってずっとパフォーマンスが落ちない。だから、僕は40代になっても、ジャンプの最大到達点を更新していきたいんですよね。

仁木:たしかに、コンボイのジャンプがどんどん低くなっていったら、見てる側も悲しいもんな。

――ひとつの時代が終わったって感じになるかもですね(笑)。仁木さんはいかがですか?

仁木:感情的になったかもしれないですね。正直、これまで組んできた相方にこんな熱量で向き合って、こういうふうに感情を出してやった事がなかったんです。それこそ、ケビンスを組むまでは、賞レースを意識したこともなかった。だから、正直今でも激低(げきひく)なほうだとは思うんですけど、吉本に入ってから、プロ意識が高くなりましたね。まあ、激低なんで、未だにライブ中にめっちゃ機嫌悪くなったりしちゃうんですけど(笑)。

――たしかに、今回ワイルドカードで準決勝にいくために、仁木さんがM-1の動画を告知していたのは、凄く意外でした。

仁木:行きたかったんですよね、準決勝。準決勝に行けたら、決勝も行けると思ってたんで。

――では最後に、2025年の目標をお聞かせいただけますか?

仁木:まず、山口コンボイをスターにして、ケビンスとして売れる。これが公式としての目標なんで、そのまず第一歩目がこの『ケビンスの取扱説明書』だと思うんで、ぜひ見ていただきたいのと、裏目標としては、どんな現場でも1年間ウケ続ける、というのがあります。

――凄く良いですね。

仁木:やはり、同じ劇場で、同じメンバーの中でやってると、どうしても慣れちゃうというか、フワッとやってしまいがちなんですけど、この1年はそれをなくして、全部のライブで、投票があれば1位になれるようにウケたいです。

今のところ、普段出ている劇場は感覚をつかめてきたんですけど、営業、例えば地方のお祭りのようなステージは、まだ試行錯誤しながらやってます。コンボイの、“人となり”をきちんと説明してからネタに入った方がいいのかな、とか。コンボイはウケないと、すぐ心が折れちゃうんで。

――ええ、そんなコンボイさん見たくないですね。

コンボイ:分かってるんですけどね、でも、“あれ? 俺は楽しいのに、なんで?”ってなっちゃうと、どんどんパフォーマンスが下がってきちゃう。

仁木:わかりやすく眉毛が下がってくるんで(笑)。簡単にウケると思いすぎなんですよ、ウケるってマジでムズいんで。

コンボイ:僕の目標は、ジャンプの最高到達地点の話もしたんですけど、例えばR-1グランプリとか、SNSもそうなんですけど、もっと自分自身の面白さを高めていきたいし、YouTubeチャンネルをはじめたんですけど、そこも動かしていきたいし。

仁木:ちゃんと更新していかないとダメだよ。

コンボイ:するする! あとnoteとかも書いているので、山口コンボイにもっと興味を持ってもらいたいですし、ケビンスの認知もどんどん上げていきたいですね。この『ケビンスの取扱説明書』はチャンネルNECOさんでしか見られないので、ぜひ見ていただきたいです!


プロフィール
 
ケビンス
仁木 恭平(にき・きょうへい)
生年月日:1991年06月19日
身長/体重:177cm /70kg
出身地:北海道 長万部町
X(旧Twitter):@nikikyouhei

山口 コンボイ(やまぐち・こんぼい)
生年月日:1993年05月25日
身長/体重:172cm /78kg
趣味:バスケットボール(中学時代県大会出場)、短距離走(小学生時新潟国体の強化選手)
特技:人間あるある
X(旧Twitter):@mstk_id
YouTube:山口コンボイ
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