お笑いトリオ、オテンキののりが自身初となるエッセイ本『死んでも忘れられない話』の発売記念イベントを、3月23日に芳林堂書店高田馬場店で開催。イベントに先駆けて、メディアの取材に応じた。

▲オテンキ(GO、のり、しんのすけ)【ニュースクランチインタビュー】

自分の不幸は蜜の味

取材会には、オテンキのGO、しんのすけも登壇。トリオでの会見出席となった。

まず、発売しての今の気持ちを聞かれると、のりは「昨日、本屋さんに足を運んで、置いてあったので嬉しくて写真を撮ってしまいました。ただ、1軒目の本屋には置いてなくて、2軒目にあったので、1軒目の本屋には二度といかない(笑)。しかも2軒目も、浅井企画を退社したみやぞんの本の方が良い所に積んでありました」とコメント。GOとしんのすけから「その、積んであるみやぞんの本の上には重ねなかったの?」と問われると「さすがにそれをしちゃうとね……してません」と苦笑い。

出版の経緯について問われると「たくさん理由はあるんですけど、まず知り合いから“のりさんの人生は面白いから、それを書いて本にしちゃえばいいじゃん”って言われたのが大きなひとつ。あと、自分のラジオの企画で「ラジオ100局斬り」というのを行っていた時、色々な局のラジオ番組に出演するんですけど、気を使ってパーソナリティの方が“最後、告知は?”って振ってくださるんです。そこで、他局の宣伝をするのも変だし、浅井企画の事務所ライブを告知するのもなあ、と思った時に“自分で本を書いて出せば告知できる!”と思ったんです」と明かした。

これまでの執筆経験について聞かれると「いや、まったくないです。高校時代、入院していた時に、ポエムは書いていたんですけどね、それは絶対に公開しません。というか、あとから見返したら、全部尾崎豊のパクリでした」と打ち明けた。

書籍には「実家全焼」「誕生日に両親が離婚」など、パンチのあるエピソードが並ぶが「自分では普通に生きてきたつもりだったんですけど、こうやって改めて書いて振り返ると、なかなかパンチの強い人生を歩んできたんだなと思ったし、今回エッセイを書いたことでほかにも色々な事を思い出すきっかけになりましたね。この本を出すために実家が燃えたんだ、って今となっては思えます。よく、他人の不幸は蜜の味って言いますけど、僕は“自分の不幸は蜜の味”です。早く自分、財布落とさないかな、と思いますもん」と胸を張った。

憧れの存在伊集院光さんの反応は?

おなじく、オテンキのGO、しんのすけは書籍を読んだのか問われると「う、うん」とGO。「絶対読んでないじゃん!」とのりとしんのすけにツッコまれると「でも、僕はイラストを書いているんで、読まないといけないんですけど、字を読むのが苦手なので、AIに読んでもらってました。のりとは大学からの付き合いなので、知ってるエピソードも多かったんですが、こんなこと言うと変ですけど、悔しいけど面白い」と太鼓判を押すと、しんのすけも「僕は昨年オテンキに加入したんですけど、自分について書いてくださってる所は特に面白かったです」とコメントすると、「相方から面白いと言ってもらえる芸人いますか?」と感激の様子。

「ただ、感想は聞きにくいんです」と明かしたのり。理由について「下ネタの部分もあるんで、どこが面白かった? って聞きにくいんですよね。昨日も知り合いから“読んだよ、面白かった!”って連絡きたんですけど、どこが面白かったですか? って聞きづらい。例えばももクロちゃんとかに渡して良いんだろうか……みたいな(笑)。そこは反省点ですね」と頭をかいた。

感想を聞きにくいといえば、帯にコメントを寄せてくれている伊集院光さんの反応は?と聞かれると「いやいやいや、今回、帯を書いていただくにあたって、原稿全部お渡ししたんですけど、自分から面白かったですか? とは聞きにくいです。やはり、憧れの存在なので。伊集院さんも『の・はなし』などエッセイを書かれているんですけど、自分で書いてみて、改めて伊集院さんのエッセイの凄さが分かったし、自分もエッセイを出したので、少しでも近づけたら良いなと思います。思えば、ラジオをはじめたのも伊集院さんのおかげだし、エッセイも“伊集院さんが出してるから”というのが頭の片隅にあったかもしれませんね」と明かした。

オテンキは昨年しんのすけが加入し、トリオとして再出発を果たした。「改めて賞レースを頑張って行きたいという気持ちもありますが、今後は個人でも活躍していって欲しい。GOくんは歌が好きなので歌で、しんのすけはメダカの養殖をやっているので、メダカを極めてもらって、メダカの本か、メダカにオテンキという名前をつけて欲しいです」と本気なのか冗談なのか分からない意気込みを述べたが、ここで、では逆にGOさん、しんのすけさんからのりさんの良い所を聞きたい、と報道陣から質問が飛ぶと「良いですね!」とのり。

ただ二人から出てきたのは「入る前はオテンキってふたりとも才能の人だと思ってたら、入ったら実はGOさんは努力の人だって気づいたんですけど、のりさんは本当に才能だけで生きている人」(しんのすけ)「本当に締め切りを守らない。のりが原稿を書かないおかげで、自分が書くイラストの締め切りが狭まって、今年は正月返上でイラストを書きました」(GO)と良いところではなく、クレームが飛んでしまい「褒めてなくない?」とのりが気づいてしまうひと幕も。

最後に「タイトルも『死んでも忘れられない話』だし、中身も結構ヘビーな事が書いてあるんですけど、僕自身はそれを迎え入れて、逆に栄養にしちゃってるような所があるので、落ち込んでいる人にぜひ読んでいただきたい。皆さんの心の栄養ドリンクになります」とアピールした。


プロフィール
 
のり(オテンキ)
1979年2月27日生まれ、千葉県鴨川市出身。 身長168.5cm、血液型O型。
趣味:柔道、空手、剣道、クッブ(日本クッブ協会公認指導者)
特技:小ボケ、ヘソでペットボトルのフタを開けられる、お尻の力で人を乗せた台車を引ける 中学校から大学まで柔道部所属で、高校時代は千葉県チャンピオン。現在、柔道五段。 お笑いトリオ「オテンキ」では「小ボケ」を担当。 「オテンキ」としての活動の傍ら、文化放送『レコメン!』『てるのりのワルノリ』等でのラジオパーソナリティー、TVCM『ふわっち』など多岐に渡る活動を展開中。
X(旧Twitter):@otenkinori