大喜利的なお題とイス取りゲームが組み合わさったお笑いバトルバラエティ番組『千原ジュニアの座王』。2017年に特番としてスタートして以降、関西ローカルながら番組自体の面白さはもちろんのこと、芸人達の突出したお笑いスキルやストイックさが発揮されるスペシャルな場としてお笑いファンを中心に瞬く間に人気番組となった。

そんな番組がテレビを飛び出して、3月11日、東京・日本武道館で番組史上初めてとなるライブイベント『千原ジュニアの座王 in 日本武道館』を開催することになった。本誌発売前日に行なわれるため、このインタビューでイベントを知った読者の方は生で観ることは叶わないが、配信チケットが発売されている。イス取りゲームがもたらす偶発性の妙と芸人のセンスやアイデアが融合した時に起こる化学反応。

出演者は笑い飯・西田幸治、ロングコートダディ・堂前透を始め、実力者揃い。普段は審査委員長として出演しているケンドーコバヤシの参戦も注目だ。日本武道館という大きな会場と観客の笑い声によって、芸人達のボルテージもさらに上昇する中で、どんな戦いが繰り広げられ、どんな笑いが生まれるのか。期待しかない。

※本記事は『+act.(プラスアクト)2025年4月号』(ワニブックス:刊)より、一部を抜粋編集したものです。

武道館に立てるのが嬉しかった(堂前)

――『~座王』では初めてのライブイベントとなります。まずは参戦が決まった際の率直な感想を聞かせて下さい。

堂前:日本武道館(の舞台)に立てるのがまず嬉しかったですね。一生立てない人生だと思っていたので。舞台に立つのはもちろん、何かを観に行ったこともないので、どういうところかもわかってないんですけど。

西田:俺も行ったことがないんですよね。爆風スランプの歌で知っているくらい。あの、『大きな玉ねぎの下で』っていう。

堂前:え、あれってそうなんですか?

西田:うん。あれ、武道館のことやからね。

堂前:武道館でやるとなると、やっぱり歌いたいですよね。お題も歌多めなんですかね?

西田:確かに歌いたいけど、どうなんかな。武道館って戦うところでもあるから。あと、初参戦で言うたらケンコバさん(ケンドーコバヤシ)がいるんですよ。いつもは審査委員長をやってるんですけど、今回はプレイヤーとして初めて出るのでケンコバさんに優勝されるのは嫌かなっていう(笑)。

堂前:確かに、それはちょっと嫌ですね(笑)。

――ケンドーコバヤシさんの戦い方も気になりますか?

西田:そうですね。僕は若手の頃から大喜利の大会とかで対戦してますから、どういう感じなのかわかってますけどめちゃくちゃ強いんですよ。やから、衰えといてほしいなって思いますけど。

堂前:(笑)。ほんまに強いですもんね。僕は一緒にしっかりと戦える場に行けたことがないので楽しみです。

――審査委員長には博多大吉さんが決定されましたね。

堂前:え、そうなんや。

西田:初耳です。

――あ、本当ですか? つい最近発表されました(インタビューは2月中旬)。大吉さんも初めて審査委員長を担当されるんですよね。

西田:大吉さんならば大吉さんで、明太子とかそういう答えばっかり出していこうかなとも思いますけど。

堂前:あはは! それで『M-1』もイケるってことですか?。

西田:(笑)。

堂前:僕は『M-1』決勝でしっかりと審査してもらったことがあるので、勝ち札を上げてもらえたら嬉しいですね。あと、久々にお客さんに観てもらえている状態で『~座王』ができるんですけど、あの人数の中でひと笑いもない時間があったら…大スベりしたらめっちゃ怖いですよね。そうなると、だいぶ心にダメージを負いそうですけど(笑)、その逆でウケるとすごく気持ちいいと思うので楽しみです。

西田:ひと笑いもなかったら、俺はビブスを床に置いて引退します。お客さんがいてくれるほうが楽しいですから。せっかくなので、武道館ならではのお題とかやりたいですよね。

堂前:確かに。普段の『~座王』でもスタジオ内の誰でもいいのでみたいなお題(大喜利借り物競争)もありますもんね。武道館の誰でもいいのでみたいなお題があったら面白そうです。ただ、1回戦負けだけはマジで嫌。けど、絶対に誰かひとりは1回戦で負けるので、それがめっちゃ怖いですけど。

最初は恥ずかしかった(西田)

――おふたりは勝率が高いぶん、会場まで足を運ぶみなさんも勝ち上がってくれるだろうと期待しているはずです。

西田:そうやとありがたいんですけど、こればっかりはどうにもならんことで。だから、あんまり(大きなことは)言えないんですよ。

堂前:しかも、今回は豪華メンバーやから難しい戦いになりそう。だって市川さん(女と男)とかいないでしょ?(笑)

西田:KAƵMA(しずる)もおらんしな。

堂前:はい。オープニングアクト的な人がいないですよね?

西田:フルポン(フルーツポンチ)の村上は?

堂前:いやぁ…村上さん、結構優勝してますからね。

――運任せな部分も多いので、当日次第のところは大きいですよね。西田さんは特番だった番組初回の優勝者で最多勝利者、堂前さんは2018年に初めて出演してからその年に優勝して100勝以上と番組に欠かせない方々ですが、最初にオファーを受けた時はどんなことを思っていましたか。

西田:その時はOB枠みたいな感じで、他のみんなは結構な若手の中、ひとりだけ中堅ベテランみたいな枠やったんですよ。それで優勝したんで、だいぶ恥ずかしかったですね。みっともないっていうか。

堂前:え、ベテラン枠やったんですか?

西田:そうやねん。のちにその枠にはトミーズ健さんとかちゃらんぽらん冨好さんとかが入るんですけど、俺もそこに入ってたんよ。

堂前:あはは! そうやったんや。

西田:今はみんなと同じ並びになったんで、よかったよかったっていう感じですけどね。ただ、まだプレイヤーとして出てるとは思ってなかったですけど。やってる間に子供が産まれてもう5歳ですよ。

堂前:すごっ!

――番組が始まって7、8年くらい経ってますから、そういうこともありますよね。月日は感じます。

堂前:ほんまですね。僕は声をかけてもらった時、すごく嬉しかったですね。自分から前に出て笑いを取るのはあんまり得意じゃなかったんですけど、この番組は強制的に全員、僕が前に出るところを見てくれるじゃないですか。前に出るのが苦手な芸人は(このシステムが)助かってると思います。まぁ、絶対に出たくないっていう芸人もいると思うんですけど、僕は好きですね。

笑い飯・西田幸治さん、ロングコートダディ・堂前透さんへのインタビュー記事は、発売中の『+act. (プラスアクト) 2025年4月号』に全文掲載されています。