千原ジュニアの創作物を展示する「作、千原ジュニア展」が3月31日(月)まで、東京・池袋のPARCO FACTORYで開催中だ。個展は初めてだという千原ジュニアに、開催に至った経緯から、見どころについて聞いた。

過去の単独を見たら「間が若い」
「作、千原ジュニア展」は芸歴35年、50歳となった千原ジュニアが生み出してきた「笑い」と、その過程で創作・創造してきた「オブジェクト」を、『千原ジュニア』の歴史をたどりながら色々な切り口で紹介する展覧会。
「個展は僕が企画したわけではなくて、マネージャー発信なんです。数年に1回、歴代のマネージャーと食事会を開くんですが、そこでマネージャーから“ジュニアさん、これやりましょうよ”って提案してくれる事があって、その中のひとつです。“50歳の最後に個展やりましょうよ!”って言われて、“はい”みたいな。
個展はもちろん初めてですし、そんな機会をいただけるならやりたいな、と。今回、個展を開催するにあたって、色々提供したので、今、自宅はもうスカスカですね(笑)。自分でも忘れてる事がたくさんあって、非常に楽しませてもらいました」
個展には新作も展示されている。詳細は見てのお楽しみだが、千原ジュニアの真骨頂でもある大喜利を、表情で回答するという、いわば「表情大喜利」。20年前に発表した書籍『答え』にも掲載されている。
「これは非常に良いコンテンツだな、と自分としては思っています。ただ、テレビ向きではないんですよね。これこそ個展に特化した大喜利のあり方かなと思っていたので、いつかこういう場があったらやりたかったことのひとつです」
個展を通して、千原ジュニア、千原兄弟の歴史も紐解けるのが今回の個展の魅力のひとつだ。

「昔にやった単独ライブも映像で展示されてて、見返してみました。そもそも、自分の単独を改めて見返すこともしてこなかったんです。今の桂三度、渡辺鐘と一緒にやった単独ライブ(『プロペラを止めた、僕の声を聞くために。』)とかは“こんなのやったなあ”と思ったし、再演する事もないでしょうから、興味深かったですね」
そのほかにも、これまで映像化されていない単独ライブの映像も個展では展示されている。
「単独ライブでいうと『ビィ』とかは1999年らしいんですけど、ソフト化もされてなくて、会社にも映像は残ってない。そうしたら、昔からの知り合いが奇跡的に映像を保管してて、今回展示する事ができたんです。それでいうと、吉本って、今はもうだいぶ良くなりましたけど、例えば“子供の頃の写真貸してください”って言われて貸しても、ほとんど返却されてこないんですよ(笑)。今実家には僕とせいじの2ショットの写真1枚も残ってなくて、今回年表を見てたら“あー! この写真あったな!”ってのもありました」
実際に昔の単独ライブの映像を見て、感じることはあるのだろうか。
「これはねえ……、多分皆さんは若いとか、見た目の事を感じるし、言いはると思うんですけど、僕は“間が若いな”と思いますね。間が早いとか遅いとか、そういう事じゃなくて、“間が若い”。余裕がない? うーん、近いけど、そういうことでもない、ネタを見てると感じるのは、間の若さなんですよね」