結成16年以上のプロの漫才師たちがネタでしのぎを削る漫才賞レースの第3回大会『THE SECOND~漫才トーナメント~2025』。2月の選考会を経て、32組の漫才師がノックアウトステージに勝ち進み、3月22日・23日に、「開幕戦ノックアウトステージ32→16」が行われ、次なるトーナメント戦に勝ち進む16組が決定した。

 

見取り図やモグライダーなど人気コンビが初出場

『THE SECOND~漫才トーナメント~』は今年が3年目。『M-1グランプリ』の出場資格が結成15年以内なのに対し、『THE SECOND~漫才トーナメント~』は結成16年以上が出場資格となる。(そのほか、「所属事務所の有無は問わずプロのみ参加可能」、「全国ネットの漫才賞レース番組で優勝していないこと」、「即席ユニットでの出場は不可」などが条件)第1回大会はギャロップ、昨年の第2回大会はガクテンソクが優勝を果たした。

今回の32組には第1回大会準優勝のマシンガンズ、第2回大会準優勝のザ・パンチ、今回唯一の2大会連続グランプリファイナル進出の金属バットのほか、見取り図やモグライダーなど、今回『THE SECOND』初出場となるお茶の間の人気コンビも残っていた。

以下は2日間にわたって行われた「開幕戦ノックアウトステージ32→16」結果一覧

<Aブロック>
[第1試合]
先攻:祇園 ○278点(1点:0人、2点:22人、3点:78人)
後攻:ラフ次元 ●261点(1点:2人、2点:35人、3点:63人)

[第2試合]
先攻:見取り図 ●270点(1点:3人、2点:24人、3点:73人)
後攻:マシンガンズ ○295点(1点:1人、2点:3人、3点:96人)

<Bブロック>
[第1試合]
先攻:モンスターエンジン ○276点(1点:0人、2点:24人、3点:76人)
後攻:アモーン ●247点(1点:5人、2点:43人、3点:52人)

[第2試合]
先攻:ドドん ○280点(1点:0人、2点:20人、3点:80人)
後攻:三拍子 ●252点(1点:4人、2点:40人、3点:56人)

<Cブロック>
[第1試合]
先攻:エル・カブキ ●247点(1点:3人、2点:47人、3点:50人)
後攻:金属バット ○264点(1点:0人、2点:36人、3点:64人)

[第2試合]
先攻:本田兄妹 ●267点(1点:2人、2点:29人、3点:69人)
後攻:リニア ○289点(1点:1人、2点:9人、3点:90人)

<Dブロック>
[第1試合]
先攻:母心 ○268点(1点:1人、2点:30人、3点:69人)
後攻:ザ・パンチ ●249点(1点:5人、2点:41人、3点:54人)

[第2試合]
先攻:天津 ●255点(1点:3人、2点:39人、3点:58人)
後攻:吉田たち ○284点(1点:0人、2点:16人、3点:84人)

<Eブロック>
[第1試合]
先攻:トット ●229点(1点:4人、2点:63人、3点:33人)
後攻:ハンジロウ ○290点(1点:0人、2点:10人、3点:90人)

[第2試合]
先攻:ザ・ぼんち ○283点(1点:1人、2点:15人、3点:84人)
後攻:モグライダー ●265点(1点:3人、2点:29人、3点:68人)

<Fブロック>
[第1試合]
先攻:ツーナッカン ●268点(1点:0人、2点:32人、3点:68人)
後攻:タモンズ ○287点(1点:0人、2点:13人、3点:87人)

[第2試合]
先攻:シャンプーハット ●275点(1点:1人、2点:23人、3点:76人)
後攻:囲碁将棋 ○297点(1点:0人、2点:3人、3点:97人)

<Gブロック>
[第1試合]
先攻:タナからイケダ ●248点(1点:2人、2点:48人、3点:50人)
後攻:はりけ~んず ○287点(1点:0人、2点:13人、3点:87人)

[第2試合]
先攻:チャーミング ●260点(1点:0人、2点:40人、3点:60人)
後攻:ヘンダーソン ○277点(1点:2人、2点:19人、3点:79人)

<Hブロック>
[第1試合]
先攻:レイザーラモン ●270点(1点:1人、2点:28人、3点:71人)
後攻:ななまがり ○290点(1点:1人、2点:8人、3点:91人)

[第2試合]
先攻:ジャルジャル ●255点(1点:2人、2点:41人、3点:57人)
後攻:ツートライブ ○284点(1点:2人、2点:12人、3点:86人)

上記の結果により、祇園、マシンガンズ、モンスターエンジン、ドドん、金属バット、リニア、母心、吉田たち、ハンジロウ、ザ・ぼんち、タモンズ、囲碁将棋、はりけ~んず、ヘンダーソン、ななまがり、ツートライブの全16組が勝ち残った。

どのコンビも素晴らしいネタを披露していた

ここからは記者の所感だが

・よく「より印象に残る後攻の方が有利」などと囁かれるが、全16試合中、先攻勝利5、後攻勝利11。結果も“こんなに差がつく?”というケースはあったものの、かなり公平な審査が行われている印象で、先攻・後攻のバイアスはそこまで感じなかった。

・ネタが面白かったのはもちろん、賞レースで戦う見取り図が見られてとても嬉しかった。来年以降も出ていただきたい。

・負けてしまったが、アモーンは強烈なインパクトを残した。浅井企画の所属ということを覚えておきたい。

・どこに行ってもしっかりとウケきる三拍子が、『THE SECOND』ではかなり攻めたネタをやっていて素晴らしかった。

・初日のトップバッター(Cブロック第1試合先攻)、エル・カブキが披露した、フジテレビの現状を過度にイジらずウケきった時事漫才は、放送メディア関係者の目に止まっていてほしい。

・くしくも同事務所対決となってしまい、仕上がっていたリニアと当たってしまった本田兄妹も素晴らしいネタを披露していた。

・天津のネタは博多華丸・大吉のネタを彷彿とさせる、今の自分たちの立ち位置や、これまでのキャリアを存分に活かしたネタで素晴らしかった。

・ザ・ぼんち、圧巻。何を言ってるか分からない事で笑えるというのは、漫才の“脱構築”過ぎて、『THE SECOND』をやる意義が詰まっていた。

・ツーナッカンは昨年のザ・パンチになり得る可能性を秘めている。来年以降の『THE SECOND』ではもちろん、今年中にもどこかで見つかってほしい。

・シャンプーハットのネタを地上波ゴールデンで見られる時がいつか来てほしい。

・囲碁将棋のネタが仕上がりすぎていた。ロジックとバカバカしさの間の本当にちょうど良いところで完成されている美しい囲碁将棋だった。

・レイザーラモンのネタも素晴らしかった。知名度のあるベテランがやるべき漫才として完成されていたし、HGもRGも芸人に敬意を持っていることが伝わってきた。

・ジャルジャルも素晴らしかったけど、ツートライブの『M-1』の匂いを少し残した、でも過不足のないネタが見事だった。

どうしても負けた側に肩入れしてしまうが、言いたいことはどのコンビも素晴らしいネタを披露していたし、もし少しでも興味がある人は「ノックアウトステージ16→8」を観戦するべきだということだ。

今回の結果を踏まえて、4月19日には、次なるトーナメント戦「ノックアウトステージ16→8」が開催。このたび、そのスケジュールが以下の通り決定した。

■「Bブロック・Cブロック・Aブロック・Dブロック」
16時45分~17時15分 「Bブロック」 モンスターエンジン vs ドドん
17時15分~17時45分 「Cブロック」 金属バット vs リニア
18時~18時30分 「Aブロック」 祇園 vs マシンガンズ
18時30分~19時 「Dブロック」 母心 vs 吉田たち

■「Hブロック・Eブロック・Gブロック・Fブロック」
19時30分~20時 「Hブロック」 ななまがり vs ツートライブ
20時~20時30分 「Eブロック」 ハンジロウ vs ザ・ぼんち
20時45分~21時15分 「Gブロック」 はりけ~んず vs ヘンダーソン
21時15分~21時45分 「Fブロック」 タモンズ vs 囲碁将棋

※全試合いずれも先攻・後攻は未定

この「16→8」を勝ち抜けば、5月、全国ネット・ゴールデンタイム生放送で行われる運命の最終決戦「グランプリファイナル」に出場できるとあって、熱戦が期待される。

さらに、「ノックアウトステージ16→8」全ブロックの有料オンライン配信(ライブ配信&アーカイブ配信)も実施。前回の「32→16」と同じく、各ステージ終了後には、MCのアフタートークも配信予定。チケットは、「FOD」および「FANY」にて発売中(4月20日20時59分まで)。アーカイブ配信は、4月20日23時59分まで、何度でも繰り返し視聴可能。

『THE SECOND~漫才トーナメント~2025』グランプリファイナルは、フジテレビ系にて5月にゴールデンタイム生放送。