「日本一のカツカレー」と称されるお店へ!

『PIA町田店新館』から商店街を駅と反対側へ歩くと、本館の先に原町田大通りの横断歩道が見える。それを渡って先を進み、右手に見えるラーメン屋『町田商店』の路地を右折。『アパマンショップ』のある十字路を左へ曲がると、やがて古式ゆかしい佇まいの、なんともノスタルジックな商店街が姿を現す。『町田仲見世商店街』および『仲見世飲食街』がそれだ。お昼には少し遅く、夕御飯にはまだ早すぎるやや中途半端な時間だったが、腹をすかせた地元民らしき人々が連れ立って列を作っている光景がそこかしこに広がっていた。

▲『仲見世飲食街』にそのお店はある

今回紹介するお店。それは『仲見世飲食街』の中程に位置する有名カレー屋さん『リッチなカレーの店アサノ』だ。

▲今回の昼食は『リッチなカレーの店 アサノ』

PIA町田店新館からは徒歩5分圏内。近所には別のパチンコ屋さんもあるので、町田のパチンコ・パチスロファンの中には、「休憩中にここで食べたことがある」という方もおられるかもしれない。なんせここの名物はカツカレー。勝つ、カレーである。これほどパチンカーに向いた昼食もそうはなかろう。ゴーゴーの日に勝つカレー。今日はもう全部語呂合わせだ。

泣く子も黙る「リッチなカツカレー」がこちら。カツは作り置きではなく、目の前でカリカリに揚げてくれる。それでいて提供時間はとても早く、残り時間が気になるパチンコの休憩中にもピッタリだ。

▲見ただけで美味しいとわかるビジュアル

ルーはスープカレーに近いサラサラのタイプ。スパイスの香りの良さはもちろん、驚いたのは“出汁の効き”だった。味が想像の5倍ほど深く、食べるほど口が幸せになる。カレーは意外と油を使うので昼食にはやや重いこともあるが、ここのカレーはかなり軽い食べ応えで、例えは妙かもしれないが、お茶漬けのようにさらさらといくらでもいけてしまう。豚肉は神奈川県産の高座豚を使用。初めて食べたが非常に柔らかく脂が甘い。カツだけでも単純に美味しいが、それとルーのハーモ二ーはまさに絶品だった。

ちょうど休憩に入るところでお客が切れていたので、運良く三代目店主・浅野純平氏に話を伺うことができた。こちらのカレーは初代店主である祖父が作ったものであるという。なんと氏はサラリーマンとしてのキャリアを終えたのち、60歳で調理師免許を取得。洋食屋に学び腕を磨いたあと「アサノ」を始めたというから驚きだ。

▲三代目店主・浅野純平氏に話を伺った

そしてその時に氏が生み出した味を息子・孫と三代に渡って継承しているとのこと。したがって、祖父の時代からお店に通っている常連客もいるらしい。

初代はもともと発酵食品の会社に勤めていたこともあり、近所では「漬物博士」として有名だったそうだ。その名残はお店のもうひとつの名物として密かな人気を集める「らっきょう」にも表れている。こちらはなんと「ワイドナショー」にも取り上げられたことがあるとのこと。話を聞いて試しに注文してみたが、いままで食べたらっきょうのどれよりも甘く、鼻から抜ける風味がよかった。もちろんカレーとの相性はバツグン。注文時は合わせて頼みたい一品だった。
 

▲らっきょうはカレーと相性抜群!

純平氏に「アサノ」のカレーのこだわりポイントを聞いたところ、やはり「出汁」とのことだった。スープには豚骨ベースのほか、昆布、椎茸し、そしてなんとあご(トビウオ)まで使っているとのこと。最初に食べた時に感じた、深すぎる味わいは、“なるほどそうことか”と一人で納得した。

大満足のカツカレーを食べ終え『仲見世飲食街』を後にするとレトロな雰囲気が一変、また見慣れた町田の景色が目の前に広がった。なんだか狐につままれたような気分になりつつ、もと来た道を戻り『PIA』へ。次は何を打とうかと考えていたが、あまりにもカツカレーが美味しすぎたため、この幸福な気持ちのまま帰ろうと帰宅を選択。ひょんなことから月1回、町田の地に来るようになったが、これはまだまだ通うことになるなぁ、と早くも6/6が何曜日なのかを確認して、小田急線の改札を通るのであった。