過去のインタビューは少し恥ずかしい部分もあるけど…
――今回書籍の情報解禁が行なわれた日は、小関さんの30歳の誕生日でしたね。ファンの方からたくさんリアクションがあったのでは?
小関:たくさん“楽しみ!”って言ってくださって、すごく嬉しかったです。今回の本はアーカイブ本ではあるんですが、今まで世に出ているインタビューも多いので、どういう反応になるのかなって正直思っていたんです。でも実は、アーカイブだけじゃなくて新しいインタビューもたくさん収録されていて、振り返りの中で初めて語ったこともあるんです。
たとえば“あの時実はこんな思いがあったんです”とか、そんな種明かし的な内容も含まれていて。総合的に楽しんでもらえる本になっているよと伝わるといいなと思っていたんですが、アーカイブ本っていうだけでも、喜んでくださる方が多くて、まずはそれがすごく嬉しかったです。

――まとまった形で過去の軌跡が読める本って、本当に貴重だと思います。ファンにとってはありがたい資料になりそうですね。
小関:そうですね。今までのインタビューはそのまま載っているので、当時の感覚が詰まっていて、今の僕の視点からだけじゃなく、その時の空気感が残ってる。だから僕としては少し恥ずかしい部分もあるんですが、逆にそこが面白いのかなとも思っています。
――写真も当時のものが使われていると思いますが、見返してみて、「ああ、この撮影したな」って覚えていたりしますか?
小関:はい、覚えてます。スタジオの雰囲気や、どこで撮ったかとか、けっこう細かく記憶に残ってます。

――写真を見ると、やはり顔立ちや雰囲気も変わってますよね。ただ髪型やメイクだけじゃなくて、ちゃんと“10年分”の変化が写っているというか。
小関:そうですね。たしかに雰囲気って、積み重なって出てくるものなんだなって実感しました。
――小関さん、昔から「大人への憧れ」ということをおっしゃっていた印象がありますが、それは今もありますか?
小関:ありますね。ただ、より鮮明になってきたというか。たとえば20代、30代、40代、50代、60代くらいまでは、それぞれにこういう大人になりたいという理想像があったり、モデルにしたい人がいたり。いろんな業種・現場で出会う方々の中から“この人のこういうところが素敵だな”“こういうふうになれたら”と思うことが増えて、そういう意味でも細かく理想像が分かれてきた気がします。

――漠然とした“大人”のイメージが、より解像度高くなってきた感じですね。
小関:そうですね。当時10代だった僕からの印象ですが、20代が大人、30代の人たちは、自分の人生を悲観している人が多い印象だった。多分、僕が出会ったタイミングもあったと思いますけど。20代のほうが生き生きとしてるような印象があったんです。そして、40代は、なんとなく父親のイメージだったんですよ。
僕にとって40代は“父親”、50代以降は“祖父母”という印象だったんです。でも実際には、50代以降の方と関わる機会が少なかったので、モデルがいなかったんですよ。だから40代以降はみんな一緒に見えていた。でも、自分が年齢を重ねて関わるようになって、また考えが変わってきました。
30歳って、人によって捉え方は違うと思うけど、やっぱりターニングポイントだなって実感しています。自分の人生のことだけでなく、家族も一緒に年を取っていく。祖父と旅行に行っていたのが、もう今は難しくなってきたりして、今この時間をどう過ごすかということも考えるようになりました。だからこのバランスが本当に難しい。でも、今しかできないことにもっと目を向けていきたいと思っています。
――この本は、誰しも年齢とともに変化していくという、いい気づきになる気がしますね。
小関:僕の視点を通して、読んだ人が何か面白さを感じてもらえたら嬉しいです。
