子供の頃に不思議な体験をした事ありませんか?
お化けと喋ったとか、UFOを見たとか。
ジブリでも不思議な冒険が始まるのは子供が多いですよね。

感受性の豊かさと澄んだピュアさを兼ね備えた子供の時期に不思議なことが起きるってGoogleで調べたらそんな情報が載っていた。

オレは家族が変とか、中1から一人暮らしとか、
育ちが摩訶不思議な所があるけど、こんなマイケル・ムーア監督作のファンタジーではなく宮崎駿監督作のファンタジーも体験をした事がある。

これはオレが小学5年生の夏に起きた出来事だ。

当時オレはばあちゃんと2人で暮らしていた。
貧乏だったけど家だけは立派で、一軒家がもう一棟建てられるほどの無駄に広い裏庭があった。

夏になると裏庭の雑草がタワマンが怯えるほど天高く生い茂る。

ある時そんなタワマン雑草が事件を起こす。

夏休み真っ只中のオレは昼間から布団に寝っ転がり、駄菓子を食べながらスラムダンクを読む無敵の時間を過ごしていた。

ピンポーン

家のインターホンが鳴った。
これはオレの無敵時間の終了を意味する音だ。

怒鳴り声をあげながらばあちゃんが玄関に向かう。

オレのばあちゃんはとにかくインターホンが嫌いだ。貧乏性でインターホンを使われる度に電気代がかかるという理由で、「なんのための喉だ!声出せ!」とブチギレる。

オレはその度、来客者に謝罪をするために玄関に向かわなければならない。

仕方なく体を起こし玄関に向かうと、いつもばあちゃんが一方的にキレているのにばあちゃんが申し訳なさそうにしていた。

来客者は我が家の裏に住んでる町内会長のおじさんだ。

話を聞くと、タワマン雑草がおじさんの家に侵入していてさらにタワマン雑草の住人の毛虫がお出かけを始めていて大迷惑を被ってるらしい。

流石の暴君のばあちゃんも100対0の言い分にぐうの音も出ないようだった。

すぐ雑草の処理をすると謝り、腰と膝が悪いばあちゃんは戦力にならないので、1人で雑草刈りをしなければならなくなった。

嘘だろ。
ものの5分前まで三井がバスケがしたいですと安西先生にお願いしていたのにさ。
安西先生、オレは雑草を刈りたくないです。

弱音を吐きながら物置にあった土だらけの軍手と錆びだらけの草刈鎌の最弱装備を身につけて雑草を刈っていく。

しゃがみながら超高層雑草を進んでいくと、アマゾンに彷徨ったようだった。