突然ですが、電話をかけるのが苦手というか、嫌というか、恥ずかしいです。

おめぇ大人のくせに何言ってんだ! と思うかもしれませんが、もちろんすべての電話がダメってわけじゃないです。

友達と電話したり仕事の連絡をするのは全然大丈夫。

むしろ文字より電話でやり取りした方が話が早い。

じゃあ何がダメなんだいベイビーボーイ?

 

恥ずかしいの正体は、「飲食店の予約の電話」です。

 

いやいや、そんなのただ希望の日時の人数言ってお店が空いてるかどうか確認するだけだろと思うでしょう。

ただねぇ……飲食店には罠があるんですよ。

電話して無事にお店の予約が完了。

いざお店に入ります。

「あ、19時に予約した“すが“です」

ここで店員さんはこう思ってるんですよ。

“さぁ!やってまいりました!”
“電話で予約してきたご本人の登場です!”

この空気感が出てるんですよ。

実際、口では

「お待ちしてました。お席ご案内します」

って言ってますよ。

でも店員さんの腹の中にいる中山ヒデちゃんが高らかに言ってるんですよ。

“19時に予約の電話をしてきた幹事と思われる男が登場しましたーー!!”

って。そう言ってる気がするんですよ。

そりゃ店員さんも全員がそんなこと気にしてないと思ってますよ。

でも少しはいるかもしれないじゃないですか。

10人いたら1人は思ってるかもしれない。

1人いたら終わりなんですよ。

1人でも思ってたら、恥ずかしいんですよ。

お前は何言ってるんだ。

そんな事考えてる店員さんは1人もいないよ。

今こう思ってるだろ?

わかりますよ?

ならここでビックダディの言葉を借りましょう。

 

「オレはこういう人間だ」

 

ありがとうビックダディ。

あなたのおかげでオレの言ってることに厚みが出た。

でも予約の電話で芸人の先輩後輩や友達と行く時はまだマシ。

飲食店の予約でもさらに嫌な状況がある。

 

それはデート。

女の子と2人で行くオシャレな景色の見えるレストラン。

これはもうヤバい。

恥ずかしいのオンパレード。

デート自体は全然恥ずかしく無いよ?

むしろ大得意。デートの申し子。

ただその得意なデートをするまでが困難なんですよ。

じゃあ電話の流れをシュミレーションしますよ。

すが 「もしもし、25日の20時〜2名で予約したいんですけど」

店員「そのお時間でしたら大丈夫ですよ」

(うわぁ…こいつ、クリスマスの日にめっちゃそれっぽいオシャレな雰囲気ある

ウチの店予約してきた! プププ! 

絶対今日決めにかかってるじゃん! プププ!)

すが「ちなみに個室って空いてます?」

店員「はい。ご案内できますよ」

(おい! 嘘だろ! こいつなんで周り気にしてんだよ!

2人だけの時間楽しもうね♡ じゃねぇよ。

お前みたいなやつは1番目立つ席吊し上げてお前を肴に酒飲むわ!)

すが「ありがとうございます。宜しくお願いします。」

店員「ご予約ありがとうございます。お待ちしております。失礼致します」

(お前がどんなイキリやろうか当日楽しみに待ってるぜ! Death!)

 

って感じでしょ。

恥ずかしいよ。勘弁してよ。ちくしょう。

でもここで、恥ずかしいから夜景の見えるオシャレなレストランやめとこうかな…

なんて言うシャバ僧のオレではない。

オレは女の子と夜景の見えるオシャレレストランに行きたい。

だってロマンチックなこと好きだから。

気にしすぎの自分とナルシストな自分が戦うが結果ナルシストが勝つ。

だってクリスマスはオシャレな夜にしたい。

オレはそういう人間だ。

今のはビックダディの言葉は借りてない。

オレの心から出た言葉がビックダディと被っただけだし、ちょっと言葉のニュアンスと違う。

お望み通りに伝説のプリンスみたいな顔して行ってやろうじゃないの。

と意気込んでお店に行くけど、結局デートの時も居酒屋さんでもお店から出て家に帰る時には、最高の接客とお店だったなってなってるんですよ。

店を出る時、心から“ご馳走様でした!”って言ってるのよね。

 

こうなるとわかってるけど毎回電話をする時に葛藤が生まれる。

もしかしたら今日は店員さんになんか思われてんじゃないかって毎回思っちゃう。

仕方ない。だって、

オレはこういう人間だ。

 

次回、反省第5回「伊勢丹の黒帯」は、6月20日(金)更新予定です。お楽しみに!!

プロフィール
すがちゃん最高No.1
1991年(平成3年)8月21日生まれ。山形県山形市出身。お笑いトリオ「ぱーてぃーちゃん」のツッコミ担当。ギャル(信子と金子きょんちぃ)と、チャラ男(すがちゃん)のパリピ漫才が人気。著書に『中1、一人暮らし、意外とバレない』(ワニブックス刊)がある。