皆さんは都会の魔境“伊勢丹”に行ったことがあるでしょうか?
あらゆるハイブランドの店が立ち並ぶ場所。
そこは高級感を一度煮詰めて溶かして固めて建物にしたような圧倒的存在感を放つ百貨店だ。
"伊勢丹”
この字面からもうなんか銀行の頭取です!
みたいな。人で言う北大路欣也みたいな。なんか、わかるでしょ。
しかもローマ字でも“ISETAN”
かっこいい。INAZUMAみたいな。ね。
まぁ例えはうまく行かなかったけど敢えて残します。
とにかく凄いって伝えたいって事。
ただ伊勢丹はもちろんのこと好きなのだが、
すがちゃん最高No.1とは…相性が悪い。
なんてたって俺はナルシズムに溢れるアルティメットカッコつけの見栄っ張りだ。
昔は皆んなと同じように建物に入っただけであまりの高級感にビビって、おしっこを漏らさないように出来るだけ内股で歩いたし、バイブレーションが嫉妬するほど震えていた。
今は30代半ばになり地に足をつけてガニ股で歩けるようになったし、店に入る時は只者じゃない雰囲気を出しながらうろつく。
ただハイブランドの店はTシャツも平気で10万円以上する。
だから値段を確認するのは大事だけど、値札を確認してそれを買わないと店員さんに
「うわー、あいつ値段にビビって買わないでやんのー。プププ」
って思われるのが嫌で値札を確認せずに
「あー、この服そういえば持ってたわ」
みたいな顔してその場を後にする。
だから事前に欲しいものを確認してから買い物をする【ネットチェック】という技を身に付けて買い物するようにしている。
そんな伊勢丹黒帯の俺に事件が起きた。
知り合いの出産祝いのプレゼントの買い物を終えて、ふと地下に行くと惣菜コーナーがあった。
初めて来た惣菜コーナーをうろつくが流石伊勢丹。
当然のように4000円のお刺身や3,000円のハンバーグなど、腰抜かし放題の高級なラインナップだ。
なるほどね。
と買いそうな顔で買わないで店内を闊歩していると
「店内の商品50%オフです!!どうぞー!」
店員さんが活気よくお知らせをし始めた。
「閉店まで30分を切ると割引セールが始まるのか。ほーう」
状況を理解した俺は、
“いや別に割引になったから買おうと思った訳ではなくて、買おうと思った瞬間にたまたま割引セールが始まった顔”で店内を物色する。
和洋中様々な惣菜が並び、もう名前も聞いた事ないよくわからない物だらけだが、
そんな中一際目を引いたのが、ショーケースの上段に小ぶりのホールケーキのようなサイズと見た目のラザニアの遊園地みたいなのが売っていた。
名前は長すぎてよくわからなかったが最後にラッザニッアと書いていたのでまぁラザニアだろう。
値段は4,000円。なかなかするじゃない。
ラザニアにその額は普段かけないが半額ならそりゃ買ってみるか。