日本人の患者の90%以上が「2型糖尿病」

糖尿病の病型は、①1型糖尿病、②2型糖尿病、③その他、④妊娠糖尿病の4つに分けられます。

「1型糖尿病」は、膵臓のインスリンを分泌する部位(ランゲルハンス島のβ細胞)に自己免疫による炎症が起こる病気で、原因はまだはっきりわかっていません。最終的にはインスリンを分泌する能力がなくなってしまい、インスリンを注射しなくては生きていけない状態(インスリン依存型糖尿病)になります。急激に発症することが多く、小児期に多いのが特徴ですが、日本では全体の5%程度です。

「2型糖尿病」は、インスリン注射なしでも生命維持ができるタイプで、日本人の患者の90%以上がこの糖尿病です。2型糖尿病の場合は、生活習慣が環境因子として重要となりますが、家族に糖尿病の人がいると、この2型糖尿病の発症リスクが高いといわれています。2型糖尿病に関係する遺伝子は、16例以上明らかにされており、1つ1つの発症リスクは低いのですが、これらが組み合わされ、その遺伝子の数が多ければ多いほど発症リスクが高まってきます。

余談ですが、遺伝というと家族のことばかり気になりますが、民族的な違いもあります。「白人に多い」と言われる1型糖尿病は、北欧のある国では発症率が1年間で10万人あたり40~50人、それに対して日本では1~2人と低くなっています。

多尿、体重減少、皮膚の化膿などの症状が出たら黄信号

インスリンが不足し、糖尿病が進行すると、ブドウ糖のかわりに脂肪やたんぱく質が燃焼され、しだいにやせていきます。皮膚の傷も治りにくくなり、化膿しやすくなります。インスリンは血糖を下げますが、反対に血糖を上げるホルモンが体内に多い場合は、インスリンの働きを妨害してきます。成長ホルモンや副腎皮質ホルモンなどがそのホルモンです。体にストレスが加わると、これらの妨害ホルモンが大量に分泌されることになります。

インスリンが不足すると、細胞内に入っていく糖が少ないため、エネルギー不足となって体がだるくなってきます。また、余分な糖分が、グリコーゲンに合成されにくくなってきます。ブドウ糖が血液中にたまり、血糖が高くなって「高血糖」になり、尿にも糖がもれ出してきます。インスリンが不足すると、ブドウ糖のかわりに脂肪が分解され、脂肪酸が増加し、体に有害な物質を呼び寄せることになるのです。