不要不急の外出自粛で家で過ごす「おうち時間」が増え、スマホで購入してすぐに読める電子書籍を、初めて体験した人も多いのではないでしょうか?

言うまでもないことですが、リアル書店には書店員さんがいます。そして電子書店にも“顔が見えない”書店員さんがいます。なかなか実態が見えない電子書店の“中の人”に、この機会にアレコレ聞いてみようと思います。

今回は総合電子書籍ストアBOOK☆WALKERのストア事業部で、国内販売企画を担当されている湊谷夏さんにインタビューしました。

実はリアル書店を目指してます!

――まずはBOOK☆WALKERさんの特徴・アピールポイントをお聞かせ下さい。

BOOK☆WALKER 湊谷(以下 B☆W湊谷) 出版社KADOKAWAの直営ストアとしてスタートし、当初はライトノベルに強いお店として、ラノベ好きユーザーの熱い支持を集めました。その後、KADOKAWA以外の出版社さんの取り扱いも増やし、幅広いジャンルを取り扱う総合電子書籍ストアとして、熱心なお客様に支えられています。

▲BOOK☆WALKER 湊谷さん(Zoomインタビュー)

――弊社のガムコミックス『ほけんのせんせい』(谷村まりか:著)もたくさん売っていただきました! BOOK☆WALKERさんと言えば「ライトノベル!」ぐらいの強い印象がありますが、他にアピールポイントなどありますか?

B☆W湊谷 そうですね、実はリアル書店を目指したところがあったりします。

――リアル書店⁉ 電子書店なのに……ですか?

B☆W湊谷 やっぱり「本との出会い」ですかね。目的の本だけを探すのでなく、リアル書店のようにストアを回って、予期せぬところで本を知ったりとか、そういう部分での出会いは大切にしていきたい、ということは根本にあったりしますね。なので、そういった意味で、もしかしたらウチは他の電子書店よりはゴチャっとした印象があるかもですが(笑)

――もちろん、良い意味でのゴチャっとですね(笑)。ワクワクするような。

B☆W湊谷 リアル書店っぽいと言えば、ウチのお客様は、コンプリート欲というか、本としてまとめて持っていたいという気持ちの方が多くて、そういう所もリアル書店に近いのかなと思います。一気に買われている金額がすごい方も結構いらっしゃいます。

――BOOK☆WALKERさんはユーザーごとに購入金額でランク(コイン還元率)が変わるので、ハイレベルなランカーさんが多そうですね。

BOOK☆WALKERでは、電子書籍を購入すると、会員ランクに応じたBOOK☆WALKERコインが付与されます。

B☆W湊谷 人生において「本」の存在が大きいお客様に、ウチの書店は支えていただいている感じですね。

違いは「ワクワクする」ような企画

――他の電子書店と、ココが違うなどのポイントなどありますか?

B☆W湊谷 そうですね~、まずは小冊子や描き下ろしイラストといった独自のオリジナル特典の豊富さですかね。

――電子書籍の「仕様」に注目した“めがイラスト”は、本好きの気持ちがわかるBOOK☆WALKERさんならではの特典ですよね。

B☆W湊谷 あとは「金田一少年の事件簿犯人総選挙」や、「『わたモテ』もこっちとくっつくのは誰だ!?選手権」といったエンタメ性の強いキャンペーンなど、ユーザーが楽しめる企画をたくさん実施してきたのが強みです。また毎年4月4日には4コマをテーマにしたお祭りをするなど、電子書籍ではメインストリームではないジャンルの盛り上げにも取り組んでいます。

――確かに「金田一少年の事件簿 犯人総選挙」は、エントリーしている人物がほぼシルエットで驚愕しました(笑)。BOOK☆WALKERさんは、いつも面白いことをやっているなというイメージです。とくに●書房さんの企画とか……。

B☆W湊谷 ははは、ありがとうございます。いや~、まさにこう言った販促企画を考えるのが僕達の仕事なんです。

――出版社からの提案ではなくて、自ら企画を持っていく感じなんですね。

B☆W湊谷 どちらもありますが、もっと面白いことやりたいから考えてよ! なんて感じに依頼されることもあります。

――だんだんハードルが上がる感じですね。でもそれだけ面白いことをやってくれるだろうという、出版社からの期待ということですね。

B☆W湊谷 単純に面白いことだけをやればいいだけではなくて、面白いうえに意味がある、ということを考えてますね。電子書籍はすぐにデータが取れるので、分析をして次に繋げるということは課題になります。これは電子書店ならではと思いますが、むしろその結果を出版社に戻して業界全体で新しいことが出来ればと思ってます。

――ちなみに以前「エロマンガ100本ノック」なるエッジの効いた企画もありましたよね。これはなかなか他の電子書店では見られない企画ですよね(笑)。

B☆W湊谷 今はもう見れないのですが、あれはいい企画でしたね。色々な出版社から反応がありました。意外だったのは女性にも好評だったんです。

▲湊谷さんが書いた「エロマンガ100本ノック」今は見れないのが残念。

――私もすごく読み込んでしまったので、企画が好評なのも分かります! しかも気になった本をすぐに購入できるのも良いですよね。