玄人好みの安定感があるチーム
以前、法政大学との試合もこの東伏見で観戦させていただいて、その時も感じたのですが、早稲田は守備の安定感があり、綻びがないチームという印象を受けました。
実際この試合でも、キャプテンで川崎フロンターレ内定の山市選手をケガで欠くなど、下級生中心メンバーでありながら、0-0で終えています。
特に新チームのキャプテンである鈴木大翔選手(3年・G大阪ユース)はFW登録ながらボランチとして攻守に獅子奮迅の働き。
また、本職がボランチの秋山虎之亮選手(2年・湘南U-18ユース)は172cmながらCBで出場。同じく2年生の世代別代表・尾崎凱琉選手(大阪桐蔭高校)とのコンビで相手のエースである小湊絆選手(3年・青森山田高校)に仕事をさせませんでした。
「早稲田の試合は点が入らなくても玄人好みで面白いなぁ」
そんな風に、0-0とは思えないほど満足感を得ながら帰った記憶があります。
そんなチームのイメージに合う、強度の高い守備や、ハイスピードの中でもイメージを擦り合わせるような練習を進め、メニューはフルコートを使ったゲーム形式の戦術練習へ。
メンバーは新チームということもあり、ランダムに分けられ、ピッチ上では横一線の競争が。
お互いが4-4-2のミドルブロックで守備は構えながら、保持時は可変して、その間のスペースを突きにいく様は、新チームとは思えないほど組織としての一体感と強度を感じます。
大学サッカーでは、いわゆる紅白戦と呼ばれる試合時間以外オールフリーの11対11フルコートのゲームをやるチームは少ないらしく、早稲田のこのメニュー、側から見ると迫力があるゲームのようですが、戦術的なメニューとのこと。
真剣勝負の紅白戦は熱量MAX!
グラウンドを他部と兼用しているため練習時間が1時間15分(入れ替わりでBチームが1時間15分練習する)と決まっているという早稲田の練習も終盤に差し掛かってきた中、最後の締めとして真剣勝負のゲームが開催されます。
ただし、普通の紅白戦ではありませんでした。
ゴールをペナルティエリアのラインまで前進させ、ビッチの縦幅を70m強にした、高密度の紅白戦です。
よりコンパクトで密集した中で行われる、スタッフが止めることがないゲームに、ピッチ上の熱量はより一層上昇。バッチバチです。
激しい接触もあり、この後インタビュー予定の鈴木大翔選手が痛んだことから、この日は「インタビューなしかな?」とも不安になりましたが、それが日常とのこと。
兵藤監督曰く、
「ファールになるということは遅れていっているということで、それは頭のスピードが遅れているからなのでよくはない。でも、僕がこのチームに来た時はそもそも人にアタックすることもできてなかったので。まだまだ成長は必要だけど、そこは良くなってはいますね」
とのこと。
来年はさらに成長した早稲田が関東1部の舞台で見られるのが楽しみでなりません。



カカロニ・すがや