サッカー大好き芸人・カカロニすがやが各大学のサッカー部に体当たり取材する『カカロニ・すがやの大学サッカーReport』。第6回はJリーガーを多数輩出する流通経済大学サッカー部へ。250名を超える部員をまとめあげるキャプテンの渋谷諒太選手にお話を聞きました。
人生の1/3は寮生活です(笑)
すがや:大学サッカー部に取材に行く「カカロニ・すがやの大学サッカーReport」。今回は、流通経済大学サッカー部で主将を務める渋谷諒太選手にお話を伺います。渋谷選手、よろしくお願いします! まず、今の学部とこれまでの経歴を教えてください。
渋谷諒太(以下、渋谷):遠いところまできてくださり、ありがとうございます。よろしくお願いします! 流通経済大学 スポーツ健康科学部・スポーツ健康科学科4年生の渋谷諒太です。
サッカーは小学校1年生から始めました。小学生年代は南大沢FC、中学ではFC多摩ジュニアユース、高校生は流通経済大学付属柏高校。そして現在の流通経済大学サッカー部です。
すがや:小さい頃からボールを蹴っていたんですね! 選抜チームのようなものに入り始めたのはいつくらいでしたか?
渋谷:小学校6年生のときに地域の選抜に入りました。ただ、周りが上手すぎて、“うわっ、こんな(上手い)やつらがいるのか……”と衝撃を受けました。そのとき、いまのチームメイトの石川裕雅(4年生/FW)とかも一緒に入っていました。
すがや:その後、中学はFC多摩ジュニアユースということですが、東京の街クラブの中ではかなり強いクラブですよね。
渋谷:そうですね。クラブのコーチの方がすごく熱心に指導してくださる方で。“もっと頑張らなきゃ”と思いながらプレーしていました。メンタル面もすごく鍛えられました。
すがや:中学年代は周りで騒がれるくらいの頭角を現していたんでしょうか?
渋谷:いや、そんなことないと思いますし、僕からしたらやっぱりFC東京などの下部組織の選手は雲の上のような存在でした。
すがや:心身ともに鍛えられた中学時代を経て、流経大柏へ進学されます。FC多摩から行く選手も多いですよね。ほかの選択肢は考えなかったんですか?
渋谷:実は最初は、Jクラブのユースに入りたいと思っていたんです。そこで活躍して高卒でプロって考えていました。ただ、何チームか練習参加させていただいたんですけど、基本的に濃い練習を短くっていうスタイルで。僕は長くやりたいなと思っていて、チームの監督にそれを伝えたら、“なら高校サッカーじゃないか”というお話をいただいたんです。そんな中で流経大柏はFC多摩とやっているサッカーも近くて、ここなら自分の良さを出せるんじゃないか、と思い進学を決めました。
すがや:流経大柏は高校から寮生活でしたよね。
渋谷:そうです。なので、7年間寮生活を送っています。人生の1/3は寮で過ごしています(笑)。
すがや:そう考えるとすごいですね(笑)。流経大柏に入学してみて、どう感じましたか?
渋谷:時期は被っていないんですけど、関川郁万選手(現鹿島アントラーズ)や宮本優太選手(現京都サンガF.C.)といった選手たちを輩出していて、すごい高校だというのは知っていました。また、昨年の流経大のキャプテンだった藤井海和選手(現ファジアーノ岡山)や一昨年のキャプテン・八木滉史選手をはじめ、素晴らしい先輩方がいたので、入ってすぐに“こういう選手になりたい!”という未来の選手像を描くことができました。
高校でも3年生でキャプテンを務めさせてもらいましたが、正直、かなりキツかったです。何回も辞めたくなりました。どうすればいいか分からない場面もありましたね……。
すがや:キツかった部分って、具体的にどんなところでしょうか?
渋谷:チームの先頭に立って引っ張ることは意識していたんですけど、“この方向性で本当に合っているのかな?”、“チームメイトがついてきてくれるかな?”と不安ばかりでした。
そんなとき、榎本雅大監督が、“上手い選手がキャプテンを務められるわけじゃない。練習に取り組む姿勢、声とかで引っ張れる人間がキャプテンだ”ということを教えてくださって。その言葉が自信に繋がった部分が大きいです。
私生活の乱れがプレーに表れる
すがや:そして現在、流通経済大学サッカー部でもキャプテンを務めています。高校時代のキャプテン経験は活きていますか?
渋谷:すごく活きています。プレーで引っ張ることよりも周りの士気を上げたりとか、チームメンバー全員に目を配ることは高校の時の経験から意識づけられるようになったかなと思います。同じカテゴリーの選手だけでなく、なるべくまんべんなく、元気のなさそうな選手、困っている選手がいたら声をかけたり、一緒にいるようにしています。僕じゃ解決できないことかもしれないけど“ひとりじゃないよ”というのは伝えたくて。
あと、大切にしているのは、私生活の部分です。僕は寮での過ごし方を含めた私生活がしっかりできているかがピッチにも出ると思っています。なので、寮長と一緒に私生活にも目を光らせています。
すがや:なるほど、私生活の乱れがピッチ上に出てしまうと。渋谷選手が高校生のときの榎本監督の記事を見ると「理想的な選手」、「キャプテンとしても素晴らしいし、一番大人。落ち着きが高校生離れしている」というコメントを残されていました。ご自身はこの言葉を聞いて、どう感じますか?
渋谷:率直にとても嬉しいです。コーチたちから言われるより先に選手たちで「相手がこう来ているから、こう戦おう」といった声は飛び交っていたと思います。言われるより先にまず自分たちで考えるというチーム作りは意識していました。それができたのは、もちろんチームメイトが協力的だったからです。
すがや:チーム自体が自分たちで主体的に考える集団だったんですね。夢だった高卒プロ入りについてはどうだったのでしょうか?
渋谷:FC町田ゼルビアの練習に参加させてもらったのですが、まったく通用しませんでした。力不足を痛感して、大学に入ってもっとレベルアップしなくては、と思い、流通経済大学進学を決めました。


カカロニ・すがや