お笑い界の用語で”スベる” や” 被せる”など日常的に誰でも使うお笑いのワードは沢山あると思うのですが、新たに粗品さんが” スカす”という言葉を世間に広めたなと思います。

この”スカす ”を簡単に説明すると、誰かが言ったボケに対してそれを無視したり、正面からツッコミをせず、流したりする事を悪とするという事なのですが、もちろん基本的に芸人はこの”スカす ”の事を出来るだけしないように心がけているし、もちろんオレもそこはしっかりと向き合っているつもりではある。

ただこの” スカす”をオレはお笑いではなく、別の瞬間にやってしまっている。

それは人に褒められた時だ。
別に人に褒められるのが嫌とか苦手とかはそんなの一切ない。
むしろいっぱい褒めて欲しいし、自分で自分を褒めたり良いところを人に伝える時は古舘伊知郎さんくらい饒舌に喋れる。

じゃあ一体何がオレをスカさせてしまうのか?
褒められて照れ臭いはもちろんあるけど、嬉しいという感情を嘘っぽく見られるのも嫌だなとか、
「ありがとうございます」と言うだけだと調子に乗ってる感が出るか?と色々と頭で考えてしまった結果、スカすような変な事を言ってしまうのだ。

ではそんな考えすぎのすがちゃんはどんなスカし方をするのかと言うと、以前相方のギャル信子と楽屋にいた時の事だ。

「この前さぁ、ヒロユキMc-IIさんとご飯行ったらさぁ、すがちゃんの事褒めてたよ!」

信子とヒロユキさんは仲が良くてたまにご飯に行くらしいのだけど、オレを褒めてくれたなんて聞くのは初めてだ。

もちろんヒロユキさんみたいに面白い先輩が褒めてくれてたなんて情報は最高に嬉しい。
心の中ではブラジルのサンバ隊たちがパレードの準備を始めてる。

普通だったら
「え?マジ?めっちゃ嬉しいんだけど!なんて褒めてくれてた?」

これが正しい解答だ。
素直に嬉しい事を伝える。
そしてなんて言ってたの?興味とワクワクを見せる。

ただオレはこの時も信子に浮かれてんじゃん。とか嬉しそうにしてやんのと思われるのが、恥ずかしかった。

そこでオレは、「へぇー 。オレ最近なんか褒められるような事したっけぇ?」

最悪だ。
生意気だし嬉しそうじゃないし、別に自覚ないっすけどねとスカしにスカしきった返事。

ただよくないのは更にこの後。

「たまたまテレビですがちゃんのロケ見て、一般の人との絡みが上手いし面白かった。これはもうMCだね。って言ってたよ!」

最高に嬉しい。
もう準備してたブラジルのサンバ隊が一斉に踊り出す。
オレも本当に踊ってやろうかと思った。