皆さんは心霊体験や不思議な経験をしたことがあるでしょうか。

いやいや幽霊なんている訳ねぇだろ!とか
不思議体験をしたんですけど……って話始めるやつ全員嘘つきだ!
なんて意見もわかります。

ただはっきり言いましょう。
幽霊はいます。

これは僕が体験した不思議な話です。

今から8年前。

その時は、ぱーてぃーちゃんになる前で、専門学校時代からの同級生の“石原”とパーティーズというコンビを組んでいた。

芸人としての仕事はほとんどなくてライブとバイトの往復。
ある時、劇場の喫煙所でタバコを吸っていると、

「おい菅野! とんでもない人と知り合ったぞ!」

興奮気味で石原が話しかけてきた。
2本目のタバコに火を付けて、話を聞いてみると、たまたま飲み屋さんで霊視ができて、お祓いもできるスーパー霊能力者と知り合ったらしい。
しかも本業は別にあって、霊関係の相談はお金を取らず、縁がある人にだけやると決めているらしい。

「いやほぼぬ~べ~じゃん」
と返すと
「そう。ほぼぬ~べ~」
一旦無駄なやり取りを挟んだあとその人の過去の除霊した話や霊が見えた時の話を熱弁し始めた。

普段の石原とは、まるで別人だった。
いつもは怪談で飯食ってる芸人は全員嘘つきだとか、心霊体験した人は違法な何かをやってるとか言いたい放題のやつだ。
これは相当凄い人なのだろう。

その霊能力者のパーソナルや過去の体験を一通り話を聞き終えた所で、

「んでここからが本題なんだけど」

石原の声のトーンが少し低くなった。

「この霊能力者は写真を見ただけで人と人の相性がわかるらしくてな、オレとすがの宣材写真を見せたら大変なことがわかったんだよ」

マジかよ。
突然降りかかる自分ごとに緊張感が走る。

「それはコンビ相性云々の前に、すがにとんでもない霊が一体憑いてるんだって! ヤバいよな! ははははははは!」

おいおい。待ってくれよ。
心霊の話って自分に関係無いから楽しめるんだよ。

てか、こいつなに笑ってんだよ。
相方にお化け憑いてんだぞ。
心配しろよ。

どうやらオレには真っ黒い霊が憑いているらしく、早急に祓った方が良いらしい。

信じる信じないとかでは無い。
仮に幽霊を信じてなくても、そんな事言われたら気になってしまうじゃない。

すぐにその霊能力者に連絡してもらい、ライブ終わりすぐ、石原と一緒に霊能力者の家に行く事になった。

実際に会うとオレより少し年上くらいの品のある綺麗な女性の方だった。

初対面の定型文の挨拶をそこそこに済ますと早速オレとは目が合わずオレの後ろの方をじっと見ている。

「左肩ずっと痛い?」

確かにある時からずっと左肩がずんと重い感じがしていた。

「はい。痛いですね」

「あと1年以内で身内に不幸ってあったかな?」

言われた瞬間背筋がゾッとした。

ドンピシャのご名答。
母方のおじいちゃんが半年以内に亡くなっていた。

詳しく話を聞くと、亡くなったおじいちゃんは全く悪くないけど、成仏せずにたまたまオレの肩に憑いてしまってそれがあまり良い状態でないらしい。

おじいちゃんの霊の全てが悪い訳ではなく、悪い部分だけ取り除く作業をした方が良いと説明された。

「その除霊的なのってやって頂けるんですかね?」

霊能力者の方には何が失礼に当たるか何もわからなかったので、恐る恐る聞くと快諾してくれた。

石原はずっとニヤニヤと笑っていた。
なんで笑ってんだよこいつ。楽しむな。

まずテーブルにお互い向かい合って座った。
机の穴は白い皿の上にジャムの瓶のような物と平べったい石がそれぞれ置いてあった。