私すがちゃん最高No.1は今はギャルを両脇に抱えてぱーてぃーちゃんというお笑い芸人をやっている。
ただ最初に思い描いていた夢は他にあった。
それは仮面ライダーになりたい、だ。
小学校2年生の時に平成仮面ライダーシリーズというのが始まり、仮面ライダークウガ、アギト、龍騎、555とほぼ全シリーズを見てきた。
それまでも仮面ライダーはビデオでなんとなく見ていたが、平成ライダーはただ悪者が来てやっつけるだけではなく、暗い雰囲気に重厚なストーリーで、まるで大人向けのドラマの様な作品性に子供ながら衝撃を受けた。
そしていつの日かオレも仮面ライダーを演じたい。
そう思う様になった。
中学生になり思春期の訪れと共に、あれ? オレめちゃくちゃカッコ良くね? とナルシズムの芽が出始めていた。おもむろにインターネットで仮面ライダーの出演者の経歴を調べると、ジュノンスーパーボーイコンテストの出身者が多い事に気付いた。
ほーう。ジュノンボーイ。
ジュノンボーイとは要はカッコいい男を決める大会か。
おいおい。ここにいるぜ? とんでもない逸材が。
まさかこんな所に、仮面ライダーになるルートが現れるとは。
応募用紙は雑誌に付いてるらしく、導かれる様に本屋さんに向かい、雑誌ジュノンボーイを買いに行った。
夢へのチケットを手にして家に帰り、エントリーシートを書いていると突然ペンが止まった。
あれ? なんか自分で自分の事カッコ良いと思って、かっこいい人を決めるコンテストに送るの、なんか恥ずかしいな、、
まだ当時は未熟なナルシズムだったため、猛烈に照れが襲ってきた。
自分で応募するのは恥ずかしいけど、仮面ライダーにはなりたい。
これはどうすれば良いんだ。
1人リビングで葛藤をしていると、脳内に稲妻が走った。
こ、この手があったか!
神様がオレを仮面ライダーにさせたいとしか思えない。
その作戦は、架空のお姉ちゃんが勝手に送ったという設定にする作戦。
よくテレビで、アイドルが今の事務所に入った理由を聞かれた時に、お姉ちゃんが勝手に送ったんですよ、というのをよく見ていた。
だから架空のお姉ちゃんが勝手に送って困ってる、という事にすれば恥ずかしくない。
そう思ってからは照れが収まり、みるみるエントリーシートが書けた。
無事必要書類を揃え終えて、夜人気のない時間にポストに入れに行った。
姉ちゃんが勝手に。
そこからいつまで経っても返事が来ない。
おかしい。
書類審査を通ったら電話や書類で二次審査のお知らせが来るはずだ。
まさか書類で落ちた?
このオレが?
いやいや。
きっと手違いで違う所に送ってしまったのだろう。
帰って来ない返信に変身の夢はここまでか。
と、上手いこと思いながら諦める事にした。
まあお姉ちゃんが勝手に送ったから、別に良いし。
そこから変わらず仮面ライダーは視聴者として見続けていたけど、自分が目指すという志が徐々に薄まっていった。
時が経ち高校3年生で自分の進路を決める時も、
仮面ライダーになりたいという発想にはならなかった。
ただテレビが好きだったので、テレビを作る裏方になろうと思い、東京の専門学校に行く決意をした。
上京した最初の頃は、おばさんの家にしばらくお世話になる事になった。
東京に友達や知り合いがいなかったから、専門学校が始まるまでの2週間、1人で東京の有名な観光スポットを回ろうと思い、ふと降り立った原宿で竹下通りの看板を見て、ある事を思い出した。


すがちゃん最高No.1