組織を人の身体にたとえると「情報は人の身体を流れる血液」といえる。健康状態と同じくテレワークでも、この血がサラサラと流れている状態が理想。情報をスムーズにやり取りし、効率よく仕事を進められる環境作りについて、外資系IT企業で20年以上前からテレワーカーとして実績をあげてきた片桐あい氏に聞いた。

※本記事は、片桐あい:著『これからのテレワーク  新しい時代の働き方の教科書』(自由国民社:刊)より一部抜粋編集したものです。

改めて考えたいヒューマンエラー対策

仕事の効率がいいとは、どういうことでしょうか?

  • 提供した時間、労力に対して、それ以上の成果があること。
  • 同じ労力でたくさんの成果が出ること。
  • 仕事上のムダ・ムリ・ムラをなくすこと。
  • 同じことができる人を増やすこと。

など様々な定義や解釈はありますが、手間をかけずに多くのことができれば効率がいいと言えますね。

それと情報共有がどう関係するのか? しかも、テレワークという仕事の環境で、どうしたら効率化ができるかを考えましょう。そもそも、情報とは何でしょうか?

組織を人の身体にたとえると、「情報は人の身体を流れる血液」だと考えます。栄養や酸素がたっぷり入ったフレッシュな血液が、体内をサラサラと流れている身体であれば、基本的には身体は健康です。

それがドロドロの血液が流れていたり、毛細血管まで流れなかったり、血管が破れて出血すれば、大惨事になります。組織も同じです。

一番怖いのは、「情報漏洩」です。

技術的なセキュリティ対策については、社内に専門家を置いてしっかり管理することが大切です。ヒューマンエラーは、絶対にゼロにはできません。その前提で考えることが大切です。

持ち出してもいい情報と持ち出せない情報、印刷していいものといけないもの。特に、個人情報を扱う場合には、厳密なルール設定をしておくことが大切です。

ヒューマンエラーは、テレワークでもノンテレワークでも対策は必要です。

そもそもミスが起きにくい仕組みやプロセスはどこの職場でも考えていることでしょうが、それが在宅になった瞬間、同じことができなくなるということもあります。たとえば、必ずダブルチェックをするというオペレーションになっていたとしても、隣に人がいなければそれもできません。

改めて考えたいヒューマンエラー対策 イメージ:PIXTA

まずは、テレワークを開始する前にシミュレーションをしておくことで、機能しなくなるであろうプロセスを事前に洗い出しましょう。