「明日からテレワークだ!」大きく変わる日本の働き方。外資系IT企業で20年以上前からテレワーカーとして実績をあげてきた片桐あい氏に、見えないからこそ重要な相手との関係性について説明してもらいました。

※本記事は、片桐あい:著『これからのテレワーク  新しい時代の働き方の教科書』(自由国民社:刊)より一部抜粋編集したものです。

仕事の関係者との「信頼関係」を再構築すべし

あなたは、一緒に仕事をしている仲間をどれくらい信頼していますか? また、あなたの仕事仲間は、あなたのことをどれくらい信頼しているでしょうか?

『7つの習慣』(キングベアー出版)の著者、スティーブン・R・コヴィー氏は、次のようなことを言っています。

「スピード・オブ・トラスト― <信頼>がスピードを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する」

つまり、仲間との信頼が仕事のスピードを上げて、仕事を効率的にすることができるというのです。

▲仕事の関係者との「信頼関係」を再構築すべし イメージ:PIXTA

たとえば、仕事の知識も経験もスキルも100点だと思っているAさんと、知識も経験もスキルも50点だと思っているBさんに、同じ仕事をお願いして結果が返ってきた場合、あなたの確認にかける時間にはどれくらい差が出るでしょうか?

当たり前と言えば当たり前のことですが、仕事相手の信頼度と仕事にかける時間には、相関関係がありますね。

それ以外にも、相手の人間性や関係性など複数の変数があるにしろ、信頼が仕事の質や量に大きく影響すると言えるでしょう。

見出しを「仕事の関係者との『信頼関係』を再構築すべし」としましたが、「再構築」には意味があります。

今まで目に見えるところで仕事をしていた仕事仲間や仕事相手と、リモート(遠隔)で仕事を進める状況での信頼関係の構築では、異なる部分があります。ですから、「再構築」という言葉にしました。

では、テレワークで信頼関係を再構築していくには、何が必要でしょうか? 一番の違いは、「相手と物理的に距離が離れている」ということです。

お互いにオンラインではあっても、カメラで監視していない限りは、相手の状況が見えないところからコミュニケーションをスタートする必要があるのです。