作家、ライター、デザイナー、編集者…出版業に携わる人って、もともと自宅で仕事する(≒テレワーク)人が多いのでは? そんなきっかけで生まれたのがこの企画。テレワークの達人たちに仕事術を聞いちゃいましょう! 今回は歴史ジャンルの雑誌や書籍を多く手掛けてきたフリーライターの吉田沙吾さん。
〇第1回は漫画家・みなづきふたご先生でした
スケジュールは家族を優先し、そこから逆算
ーー簡単な自己紹介をお願いします。
吉田 39歳、男、歴史モノの雑誌記事や新書などを執筆するフリーのライターをしています。同居家族は妻と2歳半の息子、あとはペットで文鳥を飼っています。キャリアは13~14年くらいですが、テレワークのような形で仕事をするようになってからは10年くらいです。
ーーテレワーク10年戦士! 今日は勉強させていただきます。まず、1日の作業時間はどれくらいでしょうか。
吉田 締め切り前とそれ以外の時期で大きく差が出るのですが、平均的すると1人暮らしの頃は10時間以上、結婚してからは8時間、子供が生まれてからは7時間作業できればいいほうです。子供を保育園に預けられていないこともあって、コロナ以前から家で育児をしながら仕事の時間を確保することに苦戦しています。どのような理由であれ「寝た子を起こす」ことになってしまうと、作業時間はマイナス2時間になります。
ーー自分はまだ独身なのですが、お子様がいるだけでそんなに減るものですか。タイムテーブルはどんな感じですか。
吉田 自分で意識的に時間を区切ってスケジュールを立てているというよりも、食事や子供の外出・昼寝など家族のスケジュール中心に動いているという感じです。育児しながらの在宅ワークはイレギュラーな事態が多いので、どうしても仕事は夜中が中心になります。日中で集中して仕事ができるのは、妻の仕事が休みの日か、子供が昼寝している時間帯くらいです。
「時間を区切る」というよりも「区切られた3時間」を、どう有効に活用してやろうかと日々考えています。これを書いている今(昼前)まさに、息子が叫び声をあげて仕事部屋に突入してきました。この手のイベントは嫌ではないです。むしろ育児しながらの在宅ワークの醍醐味かと。仕事は夜中が“本番”だと腹をくくればそれほどストレスも感じません。
ーーお子様の乱入も醍醐味とは。家事・育児についてはどれくらい協力しているのでしょう。
吉田 在宅で仕事をする場合、「妻の家事・育児に協力する」という意識ではなく、「妻と家事・育児を分担する」という意識でいたほうが、お互いストレスなく過ごせると思います。我が家の場合、夫婦共働きでお互い家事・育児をすることが当たり前になっているので、大体5:5くらいの役割分担になっていると思います。締め切り等の事情で自分の仕事を優先したい時は、ある程度は妻に家事・育児をお願いします。反対に妻の仕事が忙しい時にはその逆になります。
いずれにせよ「家庭外の仕事の負担が増えた分、普段自分がやっている家庭内の仕事を相手にお願いする」という形になり、「仕事+家事+育児」のトータルで見ると分担比率は5:5のままなので、お互い気分的にも納得しやすいように思います。