50,000円のステーキを自転車でサーブ
第2位は「超高級ステーキ」
最近はテイクアウトに力を入れる高級店が増えました。そんな中でもぶっちぎりで高いのが、六本木某店のステーキです。
先日、小雨が降る夜に初めて運んだのですが、お店に到着して渡されたのが、他の店では見たことがないくらい大きな化粧箱。宅配チェーンのMサイズのピザよりも大きくて驚かされました。お店のスタッフに聞いてみると「テイクアウトのため、ウーバーイーツの運営スタッフにバッグのサイズを聞いて作った」とのこと。
そんなステーキ専用の箱を詰めて配達先へ向かう際、ちょっと気になって価格を調べてみたところ……お値段はなんと5万円オーバー! マンホールで滑ったり、暗い道から急に車両が出てきてバッグの中身がグチャグチャになってしまったら……。そんなことを想像すると、スピードを出す気になりません。
結局2キロの道のりに15分ほどかけるというビビリな私。早歩きほどのスピードで慎重に運びました。ちなみにウーバーイーツからもらえた配送料は523円……時間帯や距離が反映されるとはいえ、なんだかトホホな気分になってしまったのは言うまでもありません。
第1位は「バースデーケーキ」
5月のある日、お昼2時ごろに向かったのは街のケーキ屋さん。ティータイムにショートケーキを食べる人がいるのかなと思いながら店へ行くと、渡されたのはホールケーキが入るほどの大きな箱。中身を見ることはできませんでしたが、箱の脇にはロウソクが6本……バツなし子なし、いわゆる独身の私にだって6歳の誕生日を祝うバースデーケーキだということくらいわかります。
そして、こちらで勝手に思い浮かべる妄想でプレッシャーが強まります。緊急事態宣言の中、6歳になる子供。外で遊ぶことができない日々。本当は自宅に友達を呼んでお誕生会を開きたいけど今年はできない。
「来年、小学校に入ったら、学校の友達とお祝いしようね」となだめる母親。この状況の中で最大限に誕生日を祝おうと、子供が大好きなケーキ屋さんの一番好きなケーキをウーバーイーツで注文。いつもよりは寂しいけど、家族全員でお祝いしてあげよう。そんな思いで母親がケーキを頼んだのに、ケーキの形が崩れてしまったら……。
ステーキ以上にプレッシャーのかかるミッションでしたが、急発進と急ブレーキはしないよう気をつけ、段差が多い区間は自転車を降りて歩くなどして、なんとか運ぶことができました。配達後に175円のチップをいただけたので、崩すことなく運べたのだと思います。
他にも、超高級ワインを運んだり、セキュリティーの厳しさが半端ない某国大使館に運んだりと、プレッシャーのかかる配達はいくつか経験していますが、それはまた別の機会に。