緊急事態宣言で注文はむしろ減った
緊急事態宣言が発令され、外出自粛が呼び掛けられてから数週間がたちました。こんなご時世ですが、これまで同様に東京で配達を続けています。
フリーライター兼UberEats自転車配達員のWです。
物流に携わるトラックドライバーや宅配業者の方々と比べますと、必要性の少ない仕事であるとか、無駄に出歩くなといった声もあるかもしれません。一方で、デリバリーによる収益だけが頼りという個人経営の飲食店の方もいるのが現状です。なんとかマスクを確保し、感染しないよう、させないよう配達している毎日です。
今回はコロナが私たちの社会にもたらした影響を、UberEats配達員の視点から考えてみたいと思います。
緊急事態宣言後、私は東京都内のUberEatsの注文が増えると予想しました。「巣ごもり」が推奨されているので、デリバリーの利用が激増するだろうと踏んだのです。
社会貢献をしつつ、しっかり稼げる時に稼ぐのはフリーランスの鉄則。4月8日の朝には配達員用のアプリを起動し、万全の状態で注文を待ちました……がしかし、最初の依頼がなかなか入りません。その後も11時から13時、19時から22時というコアタイムも思ったように依頼が入らず、収入面でも正直厳しいものでした。
これはどういったわけでしょう。私が普段活動する範囲が、オフィスの集まる中央区や千代田区であることが原因かと思い(とはいえ、住宅地もあります)、配達仲間にも聞いてみましたが、驚くべきことにどこのエリアでも注文数が減ったとのこと。
自分なりに分析した結果、ふたつの理由があるのではないかと思っています。
ひとつ目は、大手のハンバーガーチェーンや牛丼チェーン、カフェといったよくデリバリーされていた店の臨時休業や営業時間短縮の影響です。確かに、いつもなら21時以降も配達依頼があったのですが、この日は21時には注文がピタリと止まりました。
そしてふたつ目は外出自粛の要請を受けて、とりあえずスーパーで食料を買い込んで家にこもろうと考えた人が多いのではないかということ。
まぁ当たり前ですよね。私は基本的に自炊をしませんが、「外に出るな」と言われたら、食料品をいろいろ買い込むものなのでしょう。確かに午前中に住宅地を運転していると、通常時よりも家庭のゴミの量が増えている気はします。