こんにちは!こんばんは!東京とL.A.を行ったりきたりしながら、プロデュース、ディレクションの仕事をしています。風野又二朗です。

春の終わりと夏の始まりを教えてくれる雨が降って、7月になりました。お元気ですか?季節の変わり目ですから、体調を崩さないように頑張っていきましょうね。

6月は、言葉について思考の海の中を潜っていました、ずっと。

SNSでの誹謗や中傷が問題になり続けているのに、変わらない事について。また、もっと根本的な問題である、人間が一人一人が持っている善と悪について。そして、それらがある特定の条件で引き摺り出され、晒されていく事について。

人が持っている悪については、創作をしている者にとっては、それは常時考えている事で、自分の醜さとか愚かさに向き合わなければ、対極にある善意や人間の持っている優しさ、素晴らしさについては語れないですし、表現できません。

そして、それらは本当に慎重に取り扱っています。人を傷つけて追い込んでいくかもしれないし、時にそれは自分を相当追い込んでしまう可能性もある。

言葉について、鍛錬を積んでいるはずの作家やライター、出版社の編集といったプロですら、毎回その取り扱いについて議論して、精査し、本当に世に出していいのか考えているのに、それについて知識も経験も怖さもない人が、簡単に世界に発表できてしまうSNSは、面白いところである一方で、危ないところになってしまったなと思います。

わずか数秒で知りたい人を見る事ができる、その人の発言を知る事ができる、webの世界は魅力的です。応援しているあの人や、映画で見つけた気になるあの人をわずか数秒で見つけて、直接コメントまで送れるんですから、SNSがあるのは便利な時代です。

ただ、便利に慣れてはいけません。便利である事は、何かが大きく省略されている可能性があり、その省略にとても大切な事が隠れている事を忘れてはいけません。

SNSの省略の中には、人と人が出会う大変さ、運命めいた事、初対面の時の緊張感、うまく話せない事など、このあたりの古から変わらないコミュニケーションの最初の‟コミ”あたりが省略されているように思います。

もちろん、だからこそスピード感が生まれて、素敵な出会いがたくさん生まれた事もあるので、いい事もたくさんあります。

顔も名前も明かさないからこそ、少し大きな事が言える事、思い切った事が言えてしまう事、面と向かってでは言えない、書けない事が書く事がSNSだとできてしまった。SNSを使った事がある人なら、体感した事があるかもしれません。

でも、本当に今1度忘れないで欲しいです。その先に、そのスマホの先には、日常生活と同じように生身の人間がいて、あなたの発言で心を痛めてしまう可能性がある事を。

▲風をあつめて、巻き起こす

え!ちょっと待って!? うん、そうですよね。はい、分かります。風野も途中から思っておりました。

お前さんが言うのかい?名前も顔も明かしてない、お前さんが言うのかい?ってね、思ってました。書きながら、これ、猫かぶってるやつの発言なんて説得力がないかもなぁ、って何度も書き直してました。たださぁ、何度書いてもこればっかりは、どうにもならなくてさ。

でもね、とても嫌なことをSNSでたくさん見てしまってさ、なんか嫌だなあってなって、もっと素敵な事で、楽しい言葉でweb上を散りばめていこうよ!って思いまして、書く事にしたんです。

風野の言葉なんて、焼け石に届く前に蒸発してしまう霧、みたいなものかもしれないけど、あなたの心にマイナスイオンを届けたいなって思って今こうして書いてます。そう、そこに、あなたがいる事を感じながら。

▲風をあつめて、巻き起こす

これは、昨年、ラスベガスで行われたAEROSMITHのLIVEに行った時の写真です。

なんと言っても風野又二朗、AEROSMITHの中学生の頃からの大ファンなんです。今でも信じられない、目の前にあのAEROSMITHが、あのスティーブンタイラーがいて、演奏してくれたなんて。

(アルマゲドンの主題歌でもお馴染みですが、風野はもっと前からの本気の大ファンです。)

あまりの熱狂と興奮に途中何度か気絶しそうになりました。これだよ、これ。この肌で感じて、心に直接届いて震える感動は、ネットを経由しては体感できないよ。と体を振ってました。

AEROSMITHはあんまり知らんけど、なんとなくついてきた、マネージャーのCHIHIROが、あんまり知らんからという理由でずっとカメラ回してて、この世界的ロックバンドの伝説的なLIVEを前に、ただカメラを回してるだけなんて本気かよ!と思っていたのですが、おかげで思い出として写真もムービーも残って、こうやってコラムにも掲載できて、CHIHIRO Thank you!って感じです。そんな知識のないCHIHIROも最後には、大興奮していたので、AEROSMITHはすごいです。

風をあつめて、巻き起こす

72歳のボーカル、スティーブンタイラーが何一つ老け込む事なく、元気いっぱいで、めちゃくちゃかっこ良かったです。そしてLIVEの途中で、座って聞いてる観客に向かって

『俺が演奏してるのにいつまで座っているんだ。お前ら帰れ!今すぐここから出てけ!』

と、fu●kを連発でめちゃめちゃ怒っていて、そこに立っている覚悟とか、エネルギーが凄まじくて、なぜか言われた観客もYEAHHHH!って興奮して立ち上がって、周り観客も盛り上がり会場は興奮の渦ですごい事になってました。演者もお客も本気でぶつかっていました。

あの伝説的ロックバンドのおじさんたちは、また必ずLIVEに帰ってきてくれると思うので、ぜひ行って欲しいです。いや、必ず、また行きたいな!

世界は楽しい事がいっぱいだから、誰かの不用意な言葉が落ちてるSNSはほどほどにして、誰かの本気の覚悟に触れる世界を見ていきたいな!NE!

この流れ的に、アルマゲドンがくるかと思った方もいらっしゃると思いますが違います。今回のオススメ映画は、この現代のSNSの闇を、斬新な撮影技術、アイディアで見せてくれる映画【search サーチ】です。全編、パソコンの中の画面だけで展開していくのですが、全く飽きません。脚本もすごいです。サスペンスヒューマンSNS映画として、これはかなり必見です。

それでは、又、風の吹く日に。

『風をあつめて、巻き起こす』は次回7/17(金)更新予定です、お楽しみに。