こんにちは。L.A.と東京を行ったりきたりしながら、プロデュース、ディレクションの仕事をしています、風野又二朗です。

Huluで配信されている、オーディション番組、Nizi projectにハマりました。

風をあつめて、巻き起こす

これは、L.A,Hawaii,東京などの10都市で開かれたオーディションに合格した女の子たちが、ガールズグループとして、デビューするまでのドキュメンタリー番組です。

こういったオーディション番組にハマる事は、もうないかもと思っていたのですが、夢を見て努力する女の子たちのキラキラに心がどんどん浄化され、どの子の才能が伸びて、どの子の何が評価され、誰がデビューできるのか気になって一気に見てしまいました。

何よりこの番組にどんどん引きずり込んで、僕の心を揺さぶってくれたのは、ここからガールズアイドルをデビューさせた、プロデューサーであり、審査員のJ.Y.PARKさんでした。

優れたプロデューサーとは、多くを語らず相手に簡潔に分かりやすく伝え、言動の摩擦で発熱させ変化を起こし、導ける人だと思っています。J.Y.PARKさんはこれが毎回、本当に素晴らしかった。アーティスト、アイドルを目指した事のない僕の胸にもなぜか届いてしまう、その言葉の数々は全て、心が通っていたものでした。

数ある印象的なシーンの一つとして、3次予選のオーディションがありました。カメラが回っている、テレビ番組であるという事もあったかもしれませんが、彼は、何が良くて何がダメなのかを、その都度簡潔に伝えていました。

僕が今まで見てきた、日本のドラマや映画のオーディションの会場では、わざわざここまで伝えているプロデューサーは見たことがありません。良いところを伝えているのは、まだ何回か見た事はあります。ただ、不合格にする相手に対して、悪いところ、直した方がいいところなどをオーディションで、的確に伝えているプロデューサーは見た事がありません。

これから一緒に仕事をしない人に、わざわざエネルギーを使えないからかもしれないし、そこまで相手に対して温度がないからかもしれないですし、もしかしたら、相手をこれから良くする言葉が思い浮かんでないだけかもしれない。もちろん、オーディションとは限られた時間の中で“選ぶ”という時間なので、そんな言葉がない事には、今まで全く疑問も異論もありませんでしたし、考えた事もありませんでした。

今回、J.Y.PARKさんがオーディションで不合格にしてしまう子にも、しっかりと伝えている姿を見て、本当に驚きました。

僕が日本で見てきたオーディションは、なぜダメだったのか、相手には伝えません。だから、そのオーディションを受けた子たちは、何がダメだったのか分からないまま結果だけを聞いて受けて止めて、また、次に進みます。これが、日本のドラマや映画のオーディションで多いパターンです。

J.Y.PARKさんのやり方は、残念ながら今回落ちてしまった子たちにとって、とても大きな事だと思いました。なぜなら、次への改善点を見つめながら進めるからです。これは、今後の芸能生活にとても大きく影響していきます。本当に素晴らしい事です。

その言動は、その後のデビューに向けた合宿オーディションでも一貫していて、何が良くて、悪いのか、届いてないのか、惜しいのか、一つ一つ的確にアドバイスしていきました。

J.Y.PARKさんの言動を見ていて、途中から、僕はある事に気がつきました。

これは、ただデビューさせる女の子たちを選ぶ番組じゃないと。

これは、世界中のアーティスト、アイドルを目指す子達、夢を追いかけている子たちに、夢を叶えるとはどういう事なのか伝えている番組なんだなと、僕は気がつきました。

これは確実に、アイドルになりたい、アーティストになりたい子たちの実力の底上げに繋がっていると思います。

す、すごい。J.Y.PARKさん、あなた すごいよう。やっている事が、世界を見ているよう。世界のエンターテイメントを見ているよ。

もっと早く、できれば20歳ぐらいの時に出会いたかったな。いや、まだ出会ってないんですけど。知りたかったな、その言葉。何度もテレビ越しにですが、J.Y.PARKさんの言葉に行動に拍手を送っていました。

さらに僕の心に追い討ちをかけるように凄かったのは、彼が今回のプロジェクトの為に、日本語を勉強して、喋れるようになっていた事。人に何かを伝える前に、まず自分が努力して実行してみせる、J.Y.PARKさん。めちゃくちゃかっこいいです。

プロデューサーという立場の人間は、常に人を見ています。ただそれは同時に、常に人に見られてもいるという事に彼は気がついていて、言えるだけの事をする、続ける大切さを僕に教えてくれました。

【深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ】

これは、ニーチェの言葉です。おそらく、これを感覚的にも論理的にも常に体感しながら生活してるはずです。もう、J.Y.ニーチェだよ、すごいよう。

風をあつめて、巻き起こす

同僚や上司、後輩、取引先、仕事をする上で、僕たちは様々な人たちと向かい合います。その上で、とても大切な事『観察する、行動する、伝える』を、とても的確に簡潔に実行していて、勉強になりました。

ここまで、ずっとプロデューサーのJ.Y.PARKさんの話ばかりをしていましたが、何よりオーディションを受けていた女の子たちが、みんな本当に可愛くてキラキラしていました。誰かを蹴落とそうという空気ではなく、みんなでデビューしたいという、メンバーたちの結束が強かったです。他の子が褒められた事で、一緒に泣いているのを見て、僕も泣きそうになりました。

本当は今回は、全く違う事について書こうと思っていたのですが、Nizi projectについて書いていたら止まらなくなりました。参加したわけではないですが、ここで得た感動や胸に響いたことを大切にしまって、これからまた、良い仕事ができるように、頑張りたいと思いました。

国籍、年齢、性別関係なく、世界中にいる素晴らしい人たちから、吸収して学んでいこうとする気持ち、姿勢、取組み、本当に風野又二朗のこういうところ、好きですわぁ。

今回の風野のオススメは、もちろん、Nizi projectです。是非見てみてください。

人は、こんな事をしたいぞ!と未来に期待して、あの時は良かったな!と過去を美化してしまう生き物らしいです。だからどうしても、今が、現在が少し暗く見てしまう瞬間があるらしいです。

なので、たまに落ち込んでも気にしないでください。今は自分が思っているよりも明るいし、あなたは、あなたが思っているより素敵です。

毎日、自分の良いところを見つけて、自分で自分を抱きしめてあげてください。

そうすると、自分に良い風が吹いて、とても良い事がたくさん起きます!

それでは、又、風の吹く日に。

『風をあつめて、巻き起こす』は次回8/7(金)更新予定です、お楽しみに。