「太らないための食事」とは何か

肥満の対策として、サプリやトクホに頼る人も多いことでしょう。さまざまな生活習慣の中でも、重篤な病気を引き起こす可能性があるのが、言うまでもなく「肥満」です。

食事に関しては「しっかり食べて栄養も摂りたいが、太りたくない。でも、美味しいものもカロリーがあるものも食べたい」という願望があることでしょう。

「太る食事」というと、みなさんがすぐに思いつくのは、焼肉や、飲んだあとの締めのラーメンですよね。ただ、それは単純に脂っこいもの、カロリーの高いものという発想です。

たしかにそうした食事は太りやすいのは事実です。ですが、どうしても食べたいというのなら、朝・昼・夕の食事の割合や運動、食事時間などに気を配れば、この際、食べてもよしとしましょう! ということを私は提案します。

まず、朝・昼・夕の食事は、どういう割合がいいのでしょうか。

例えば、朝を抜いてもいいのか、あるいは朝ごはんをしっかり食べて、あとは少なめにするのがいいのか、それともバランス良く1:1:1がいいのか……などといろいろと理想論が語られています。

いったいどれがいいのか――私はいつも言っていますが、いくら健康的だと言われても、できなければ意味がありません。自分ができることを実行するポイントとして、絶対的な論理だけは知っておいて、それを応用していくということです。

“太る”ということに関しては、朝・昼はともかく、夕ごはんが大きなカギを握っているだろうということは、みなさん気が付いていますよね。

食事の絶対的な理論の根底では、やはり夜にカロリーが高いものを食べると、肥満につながるということがはっきりしています。

なぜなら、人間も動物なので、夕方以降に食べたものは全部身体に蓄積するからです。暗くなってからは獲物が獲れなくなるので、食べたら食べた分だけ、とにかく貯蓄に回す。夜はもう寝るだけでエネルギーを使わないので、身体にたまっていくのは当然でしょう。

一方で、朝は起きた時から動いているので、朝と昼に摂取したエネルギーは消費に回ります。つまり、朝昼たくさん食べても身体に貯蓄されず、筋肉になったり、脳を働かせたりするので消費していくわけです。

▲朝昼たくさん食べても身体に貯蓄されない イメージ:PIXTA

子どもたちは、昔から「朝ごはんを抜くとダメだよ」とよく言われます。実際、朝ごはんを食べた子と食べない子だと、算数も国語、体育も成績が全然違います。もちろん、朝ごはんを食べない子のほうが、成績は悪いというデータがあるのです。

朝にエネルギーを入れておかないと、人間の身体は動きません。ですから、もし食事を抜くなら、朝は抜いてはいけません。しかも、朝食べた分と夜食べた分を比べると、朝に食べた分は活動するエネルギーとして消費してくれますから、朝に摂取したエネルギーは身体に残らないので太りません。しかし、夜に食べた分は全部貯蔵されるので、太るのを1.5倍加速させてしまいます。