モチベーションに必要なのは「アメ」

人見知りの人は褒める基準を高く設定しているので、なかなか自分を褒められない。しかし、現状の自分を評価することができなければ、不安を低下させることはできません。

ここで自分を褒めることと関連して「オペラント条件付け」という理論をご紹介しましょう。オペラント条件付けは、行動療法の基本的な学習理論で、報酬(あるいは罰)に反応して自発的にある行動を増やすように(あるいは減らすように)学習することです。

簡単にいうと、アメとムチです。ライオンに火の輪をくぐらせるサーカスのトレーナーは、ライオンが火の輪をくぐるとエサをあげて褒め、跳ばないとムチで叩いて調教するわけです。

これを自分に対しても行うのです。良い行動を伸ばしたかったら、それに対して自分に報酬をあげる。社交不安症の人は、いつも自分を罰するクセができているので、こちらはやらなくて大丈夫です。

どんな小さなことであっても良いことをしたら、自分を褒めてあげるということを徹底してください。子どものしつけも基本的には褒めて伸ばします。

何かを習慣付けようとしたら、毎回「自分って、凄いじゃん」と褒めてあげないと、次からのモチベーションにつながらないからです。

自分が映えている写真を撮ってみよう

もうひとつ、普段から自己肯定感を高める技術を教えましょう。

それは自分の一番良く撮れた写真を手元に置いたり、持ち歩いたりすることです。自分は写真写りがいつも悪いと思っている人は少なくありません。しかし、たくさんの写真を探せば、良く撮れているものが何枚かはあるはずです。もしくは上手な人やプロに撮ってもらってもいいでしょう。

▲上手な人やプロに撮ってもらってもいいでしょう イメージ:PIXTA

良く撮れた写真をいつも携行していると、自己イメージが向上します。特に社交不安症と別に「醜形恐怖」を軽減するためにも有効な手段なのです。

「醜形恐怖」は簡単にいえば、自分の外見が良くない、醜いという恐怖症です。他人から見ると普通なのに、自分は醜いと思い込んでしまっているケースです。鏡で自分の容姿を見て、悪いところばかり探す行動の偏りからそうなってしまうのです。

なかには美容形成外科の依存症になってしまう人もいます。「美容整形して、まぶたを直したら鼻も直さなければいけない」と悪い方向に深入りするのではなく、正しい鏡で正しい自分を見てほしいです。

最近は、目を少し大きくしたり、肌を白くしてくれるスマートフォンのアプリやパソコンのソフトがあります。そんなものを使って、ちょっとかっこいい、美人な自分のイメージを作って、それを見ているだけでも気分が良くなって自分もイケてると自分を褒めることができるでしょう。