名医・今津嘉宏氏が、驚きの新生活習慣を提言! 人生の約3分の1を占める「睡眠」こそ、ちょっとした工夫をすれば健康を保つ重要な要素。「食」と同じようにお金と気を遣いましょう。
※本記事は、今津嘉宏:著『115歳が見えてくる“ちょい足し"健康法』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。
週末に「寝だめ」するくらいなら平日に「昼寝」を
平日は忙しくて睡眠不足で、週末は思いっきり10時間くらい「寝だめ」をする――こうした生活スタイルを実践している人もいることでしょう。結論から言うと、これにはなんの効果もありません。長い時間寝ることに意味はないからです。
しかし、それで本人が精神的な充実感を持てるのなら、ストレス解消の意味もあるので、一概には否定できません。
とはいえ、週末の朝寝坊習慣は、長時間睡眠にあたるのであまり意味がないですし、休日の時間がもったいないので、やめたほうがいいでしょう。その代わり、普段から寝不足を自覚しているのであれば、可能なら平日に昼寝することをオススメします。
昼寝をする場合に気を付けたいポイントは、30分以上の昼寝はNGだということです。昼に寝過ぎると、夜に寝られなくなってしまうという単純な話です。30分以上寝ると、スイッチが一度オフになりますから、うまくオンに戻さないと、ずっとボーっとした状態になってしまいがち。それで夜も同じように寝てしまったら、今度は寝過ぎになってしまいます。
昼に寝過ぎたせいで、ホルモンの出方が変わってバランスを崩してしまい、昼夜逆転と同じようになってしまっては、元も子もありません。昼夜合計して、一日に8時間も寝るようであれば、完全に寝過ぎです。ただ、それが自分で分かっていれば問題ありません。
そうならないようにするコツは、昼寝は布団でしないということ。昼寝をするのであれば、ソファーで仮眠するとか、デスクに顔を埋めて寝るのがいいでしょう。
また、昼寝前にはコーヒーを飲むのもいい方法です。紅茶でも日本茶でもいいのですが、カフェインが効くまでのタイムラグがあるので、起きる時にはちょうどカフェインが効いてきて、すっきり目覚めることができます。
最近、質のいい睡眠ができる人が少ないので、昼寝は睡眠の練習になっていいかもしれませんね。
また「夜は寝ようとしても4時間しか眠れないんだけど、昼間は眠たい」という人は、やはり睡眠時間が4時間では十分でない人なのでしょう。昼間眠くなるという人は、仕事やランチのタイミングをうまく調節して、昼寝をする時間を作るべきです。
要は、夜の睡眠だけでは睡眠時間が総量として足りていない、ということなので、夜の睡眠時間を長くするのが一番の解決法です。
しかし、夜の睡眠時間を長くする物理的な障害、例えば仕事が忙しくて帰る時間が遅くなり、眠る時間が不十分なだけなのに「眠れてない」という言葉を使っていませんか? いわゆる「不眠」とは違うので、安易に睡眠導入剤などに手を出さないでほしいと願います。